矢部君

□矢部君が担ぐ
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キーンコーンカーンコーン


あー…やっと終わった
やっと…やっと矢部君から解放されるっ!!

そんな解放感に涙を流すのも束の間、今度は妙な浮遊感が私を包んだ。

視界に映るのは白い、シーツみたいな布と汚らしい教室の床。それから誰かの踵。

…え、何コレ。どーゆー状況よコレ。

とりあえず落ちそうになるメガネを必死に抑えながら考える。
そんな私の耳に前の席の男子が小声で放った言葉が…


「…すげっ担いでる」


…担…?


え、ちょ、まさか…


そう、私は今担がれているのです。
え、誰にかって?そんなの決まってんじゃん。あれだよそれだよこれだよ。


…矢部君だよ。



てゆーか…揺れるんだけど。怖いんだけど。



「嫌ーっ!!下ろせっ!!」

「…うるさい」


「パンツ見えるじゃんっ!!」


「長いから大丈夫だろ」

「嫌だ。無理。今すぐ下ろ…してください」


「じゃあ俺がスカート抑えて…「このままでいいですっ」…チッ」


舌打ちしたいのはこっちだからね。うん。


あ、さっきのシーツみたいなのはどうやらYシャツで…ってゆーか階段っ!!





(怖っ!!一段飛ばして登らないでっ!!下ろしてーっ!!)(…お前うるさい)

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