短い話

□スカート
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「なんか、すっごくスースーするっていうか、…変な感じする。ノーパンみたいな」


ふわり。スカートの裾が風で靡くのを手で抑えながら友人の顔を伺えば、友人はニヤニヤと笑っていた。


「なに」
「すっごい可愛いよっ!!碧そのスカート似合うね」
「…えー…」
「男子達も絶対びっくりするよ。試合終わったら声かけてくれば?」
「うーん…どうだろ。アイツらあたしのこと女だと思ってないしな…」


自分で言いながら、本当にそうなんだろうな。と思う。まぁ流石に男として認識されてることはないと思うけど、男友達への接し方とあたしへのそれは大差ないし。

そう考えながらコートへと視線を戻せば、丁度うちのクラスが点を取られたとこだった。


「B組強いね」
「だねー。うちのクラス大丈夫かな…」


心配そうにコートを見つめる友人。

クラスの男子達がある日急に「今週の土曜、体育館でB組と試合する事になったからみんな応援きてーっ!!特に女子っ!!」と言い出した。なぜそんなことになったのかは定かでないが、普段提出物をまともに出さない男子達はちゃんと体育館と用具の使用届を出し、今日この日のために朝練までしていたらしい。そんな暇あるんだったら溜まりに溜まった提出物をやるべきではないのか。

そんなことを考えているうちに、B組に再び一点入れられる。それと同時に前半終了の笛がなった。


「あーぁ」
「また一点入れられちゃった…」


ここから見ても分かる、うちのクラスの男子達に漂う「えー…B組強ぇーんだけど。なにこれ無理じゃね」という空気。


「あれ、いま山崎君こっち見てなかった?」


友人になにか返事をしようとした時、後ろから誰かに呼ばれた。


「笹森っ!!」
「え、」


振り向けばそこには山崎の姿が。え、あれ、お前さっきまでコートにいただろ。なんでここにいんの?てかやっぱ足スースーするんだけど。


「いやー助かった。B組の奴ら意外と強くてさー。
後半から出てよ。お前がいればイケる気がする」
「駄目だよ、碧は今日スカー…「よし。あたしにまかせろ。」…え、ちょ、碧」
「任せたぞ…ってお前スカートじゃんっ!!」
「これでやってもいいんだけど…邪魔だよなー…。誰かジャージとか持ってないの?」
「多分爽太が持ってる」
「よし。なんとしてでもそれを奪おう」
「ちょ…せっかくスカート…」
「ごめん。明日ちゃんと洗って返すから」
「そうじゃなくて…」
「じゃ、行ってくる。応援よろしくっ!!」





(やっぱりあたしには)(スカートよりこっちの方が似合ってる)




ー…


そして逆転勝ち。

スポーツ出来る女の子って好きです。尊敬します

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