私と彼
□無口な私と
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『お前の隣さー、あの志田さんだろ?』
『マジで!?超可哀想じゃん』
『志田さんて喋るとこ見たことねーんだけど』
それは、HRでの席替えが終わってすぐの休み時間。会話が聞こえてきたのは女子トイレの壁の向こう側…男子トイレから。
喋ってるのは多分、今回の席替えで私の隣に来た河村とその仲間達。
(あたしだって別に好きでアンタの隣になったんじゃねーっつーの)
小汚い水道で手を洗ってからトイレの外に出ると、やつらも出てきたという最悪のタイミング。
一瞬ビクッとなってから焦り始めた男子を無視して、一瞬河村と目があったのも無視して、スタスタと歩き去った。
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