12/14の日記

21:27
企画投稿SS「はじまりの場所(九郎)」
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この場所で、優雅に、そしてしなやかに舞う彼女の姿を見たとき、俺は胸がいっぱいになった。

今まで満たされることのなかった心が、溢れるほどに漲り…言葉を失ってしまったことを俺は忘れられない。

あんなにも美しいものは、それまで見たことがなかった。
そしてこれからも見ることはないのだろう。

雨乞いの舞だけではない。
この花びらを、風のように断つ姿も…ただただ「美しい」としか思えなかった。

心が、震えた。


「九郎さん、どうかしましたか?」

「…すまん、なんでもない」


一歩前を歩くお前が、首を傾げながら尋ねた。
二人で歩いていたのに、突然立ち止まりあたりを見渡す俺を訝しげに見つめている。


「桜…、枯れちゃいましたね」


春にはたくさんの花をつけていた桜の木も、今は淋しく春を待っている。

…だが、少し違うんだ。
俺は冬枯れの桜を見ていたわけではない。
ここにある思い出を、見ていた。

神泉苑に来ると思い出す。

俺の、全てのはじまりはここにある。





■あとがき
許婚イベントも、花断ちイベントも…色恋に疎い、九郎さんの心のかけらを見つけるきっかけだったと思うんですよね!絆の関とかじゃなくて、もはや心のかけら!!(シリーズ混同)
意識し始めたきっかけを考えると楽しいのでこちらももっと掘り下げたかったんですが、間に合いそうになかったので独白にしました。

こちらのSSは15日以降、マガで配信いたします!

2作品目、投稿完了☆

by 星龍

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19:48
企画投稿SS「追いかけた背中(譲)」
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俺には、
幼い頃から何度も見ていた夢があった。

光の中であなたは涙を流していて…
しかし強い決意を秘めた瞳がとても印象深かった。

その姿が瞼の裏に焼きついて、俺は目が覚めるとなぜか不安な気持ちになる。

いつも、あなたが俺を置いてどこかへ行ってしまいそうなそんな気がしていた。

そして本当に、少しずつ遠ざかっていくあなたを、俺は必死になって追いかけてきた。

…いつも。
……いつも。


物心つく前から、朗らかに笑うあなたを見守ってきて、あなたのことは俺がきっと守り抜くと誓ったはずだったのに。

今になって、あなたが教えてくれた…白龍から託された小さな逆鱗のこと。
俺が、命をおとした運命のこと。

その時…やっと、あの夢の謎がとけて、俺は全てを知る。
ずっとあなたを守っていたつもりが、結局守られていたのは俺自身だったんだ。


悲しい思いをさせてすみませんでした、と言ったら…


あなたは少しだけ怒って、少しだけ涙ぐんだ。



そして「今が幸せだからいいの」と言って、優しく笑う。




追いかけた背中は、
今は、すぐ側にある…




俺はあなたを守っていく。
一生かけて。





■あとがき
譲は星の一族なので、ね!たくさん意味深な夢を見ているはずです。ほんとはもっと掘り下げたかったんですけど、時間がなかったので独白のみで!
ちなみにこれ。結婚後、みたいな雰囲気になってます(笑)他のキャラの中で…一番、良い夫になりそうなのは譲ですよね〜。料理もできて、頭もきれて、なにより絶対浮気しない^^


こちらのSSは15日以降、マガで配信いたします!

1作品目、投稿完了☆

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