宇宙色の恋(新婚編)

□「奥様は地球人」
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奥様の名は「夏美ちゃん」
旦那様の名は「ギロロ伍長」

二人は
ちょっと変わった出逢いをして…
その後いろいろあったものの…
やがて無事結ばれたのでした。

姿かたちの異なる二人、その訳は…
…実は『奥様は地球人』だったのです。



此処は
日向家の地下にあるケロン軍地下秘密基地
夏美はケロロの呼ばれて地下基地に来ていた。

「それじゃ、ちゃっちゃとその服に着替えるであります」
夏美がケロロから手渡された服は迷彩のジャケットと水着である。
「何よこれ、こんな物に着換えさせて何する気なのよ?」

いきなり変な服を渡された夏美は困惑顔でケロロに訳を聞いている。
ケロロは夏美に理由を話し始めた。
「今回の我々に課せられた使命は…」
「ケロン軍の士気高揚と求人を兼ねたポスター作りであります」
「今回は夏美殿にも目一杯協力してもらうのであります」

「冗談でしょ、何であたしが…」
夏美がケロロの言葉に腹を立てて渡された服を突っ返そうとした時
「お黙りなさい!…であります」
何時もより強気のケロロが夏美の言葉を途中で止めて話を続けた。

「夏美殿はギロロ伍長の奥様であります」
「そ、そうよ…」
夏美は「奥様」と言う言葉にまだ慣れていない、顔が真っ赤になっている。

「今回の使命はギロロにとっても与えられた使命…」
「そしてケロン軍にとって大切な用件なのでありますよ」

「そして我輩はギロロ伍長の隊長…いわば上司であります」
「・・・・・・・・」

「ギロロ君のこれからの為にも我輩の言うこと聞いといた方がいいんじゃない?」
「くっ……」
ケロロをぶっ飛ばそうとしていた夏美の動きが止まる
ケロロはそれを見て
『我輩が夏美殿に対して優位な立場に立っているであります…これ使えね?』

気をよくしたケロロは声高く笑った
「ゲロゲロリ…ぐえっ!」
笑うケロロに向かってロケット弾が撃ち込まれる。
「ちっ、不発か…」
扉の所にギロロが現れた。

「ギロロ!」
「夏美、お前はこんな奴の言う事を聞く必要は無い」
ギロロは夏美の横に行くとケロロに向かって銃を向けた。

「やだな〜ギロロく〜ん、我輩無理強いはしないでありますよ」
「でも今回のこれ、結構重要な役目なんだよね解ってるよねギロロ君」
ケロロは自分に向けられた銃口を手で横に向けるとすました顔でギロロに尋ねた。
「う、うむ」

「そんなに大切な事なの?」
夏美は横にいるギロロに尋ねたのだが代わりにケロロが答えた。
「ポスター作りは各小隊で当番制なのであります」
「どのようなポスターが出来るかによって評価に大きく差が出るのでありますよ」

夏美がギロロに
「そうなの?」
と確認するとギロロは小さく頷いた。

「あ〜、ケロン星で人気の高い夏美殿が一緒にポスターに写っていれば評価は倍増…」
「…で、どうする夏美殿?」
ケロロはニヤリと笑って夏美を見た。

「…いいわ、手伝ってあげる」
夏美はコクリと頷いた。
「よせ夏美、そんな事はしなくてもいい!」
慌てて止めに入るギロロに振り向いて笑うと
「この位なら手伝ってあげるわよ」
「ギロロの為だものね…」
と言って夏美は着替える為に部屋から出ていった。
ギロロも夏美を追って部屋から出て行った。

「夏美殿があっさり言う事を聞くとは…」
「これは使えるであります、ゲロゲロリ」
一人になったケロロはニヤリと深い笑みを浮かべた。
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