宇宙色の恋(新婚編)

□手料理を召し上がれ
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「とりあえず『宇宙お好み焼FX』でも作るのであります」
「宇宙…ってアレ?」
「何だか暴れて危険そうじゃないの」
夏美は以前ケロロが作っていたそれで大騒ぎになった事やケロン星での事を思い出した。

「あ〜、夏美殿が宇宙お好み焼FXを作ってくれたら…」
「きっとギロロ君はさらに夏美殿に惚れるでありましょう…」
「軍曹、最近そればっかり…」
冬樹が突っ込みを入れるがケロロも夏美も聞いていない。

「ギロロ…」
夏美は振り返りギロロを見るがギロロは会話に参加せず
黙々と夏美の作ったゴーヤチャンプルを食べている。
「ちょっとギロロ、あんたも話に加わりなさいよ!」
イラついた夏美がギロロの箸を取り上げた。

「あ?ああ、どうした夏美?」
夏美が話しを始める前にケロロが二人の間に割って入りギロロに話しかけた。
「夏美殿が『宇宙お好み焼FX』を作ってくれるそうであります」
「ボケガエル!」
夏美がケロロの頭を掴んで止めようとするが
「ほう、それは楽しみだな」
とギロロが反応したのを見て
「え、そ、そう?」
とギロロの反応に驚きケロロを掴んでいる手を離した。

「ほらね、夏美殿」
「解ったわよ、やってやろうじゃないの…」
したり顔のケロロを悔しそうに見ながら夏美は宇宙お好み焼FX』を料理する事にした。


「ほう、それは楽しみですな…」
不意に聞こえた声に夏美達が振り返ると
ダイニングの入口に立つ二人のケロン人の姿があった。

「ガルル中尉殿…」
「プルルちゃん…」
「お兄さん…」
「それにプルルさん…」

茫然とするケロロと夏美、ギロロは椅子から飛び出すと夏美の前に立った。
「ガルル、貴様何しに来た?」

以前はガルル達が来ても警報が鳴ったのだが最近はガルル小隊が来ても鳴らない様にしてあるのだ。
「いや、実はな…」
「いいから早く言え!」

「休暇のついでに親父から預かり物をしてきたのだ」
「あたしは夏美さんに用事があってきたのよ」

そう言うとガルルは巨大なクーラーボックスを転送させた。
「親父からの預かり物?」
「新鮮な宇宙食材だ」

クーラーボックスを見たケロロが喜びの声を上げた。
「おお、これはグッドタイミング」
「夏美殿、これで宇宙お好み焼FXを作るのであります」

「夏美君が作る宇宙お好み焼FXか…」
「我々も御相伴にあずかるとしようか、プルル看護長」
「はい」

「えっ、ええっ!…そんなあ…」
初めて料理する得体のしれない宇宙の料理、
それをケロロやギロロばかりでなくギロロやプルルまで食べると言う
夏美にとってこれはかなりのプレッシャーである。

「ささ、夏美殿」
ケロロはニヤニヤと笑いながら夏美を急かした。
「解ったわよ…ボケガエル、作り方教えなさいよ」
「了解であります」

「待て夏美、俺が教えてやる」
ギロロが夏美に声をかけるが
「あんたにあたしの手料理を食べてもらいたいのよ」
「だからギロロはそこで待っててね…」
「さあボケガエル、行くわよ」

夏美はケロロと共にキッチンの奥に入っていった。
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