MOON RABBIT U

□深夜徘徊
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「グスッ…ぅう…」


私はホグワーツの中をひたすら歩き回っていた

右も左も分からず、ただ下を向いて歩いていた

涙で揺れる視界

何度も服のそでで涙を拭いながら、私は大きく息をついた


「これから、どうすればいいんだろ…。」


リーマスを裏切ってしまったような罪悪感が私を支配しているような感覚

私は暗い廊下に座り込み、膝を抱えて小さくなった

マンガでは、1人きりで座り込んでいると、誰かが見つけて助けてくれる

そしてその人物は、その人の好きな人だったり、親友だったりするのだ



コツ、コツ、コツ



そして今、廊下に響いている足音もきっと…


「…ここで、何をしている。」

「……。」


話しかけてきたのは、彼ではなかった

陰険で、蛇の様を思い出させる、スネイプ教授だった


「何をしているのかと聞いている。」

「…別に、何も…。」

「ルーピンに、フられでもしたのかね?」

「ほっといてください。」

「図星、か。」


合っているのか、間違っているのか分からない

そんな教授の言葉に腹が立ち、私は顔を思い切り背ける

けれど、教授はそれを許してくれなかった


「…きゃっ…!?」

「来たまえ。」

「来たまえって…もう連れて行ってるじゃないですか…!」


そう、私は何故か教授に担がれたのだ


「どこに連れていく気ですか…!」

「おや、いつもの元気がないではないか。」

「そ、そんなこと…どうでもいいんですよ…。早く、下ろしてください。」


本当は、別に下ろして欲しいわけじゃなかった

このまま、リーマスから離してくれれば、それでいい

また、私に居場所をくれれば、それでよかった…
 
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