MOON RABBIT U
□白い暁
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その日から、私達は言葉を交わすことがなくなった
朝、リーマスは私より早く起きていることが多くなった
理由はきっと、目の下にできているクマにある
眠れないのか、寝る間も惜しんで私への答えを考えているのかは、知るはずもない…
「…よし。」
聞こえるのは、いつも授業道具の確認やレポートの文章を読む単調な声だけ
そして、バタンと扉が閉まる音
私は部屋の扉を開けたまま、ベッドの中で枕を濡らしていた
いつでも部屋へ入れるように、いつでも私に声がかけられるように、じっと動かず、体を枯らしていた
「…ごほっ…」
咳をしても1人
久々の孤独は
咳をするたびに
涙が頬を伝うだびに
扉の閉まる音が聞こえるたびに
私の心を蝕んでいく
「…て…マ…」
助けて、リーマス
「…め…ヤだ…」
ごめんね、イヤだよ…
「…好…き…」
もう、ダメかもしれない
もう、私の心は壊れてしまったのかもしれない