MOON RABBIT U
□悪夢
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「…ナキさん…。」
「ごめんね、ハーマイオニー。」
来た道を戻っている最中、私はしばらくハーマイオニーに背中を撫でられていた
「情けない先輩だったね、今までずっと…。」
「そんなことないですよ!私達はナキさんに助けられたことが何度もあるし、いつも世話になってたじゃないですか!!」
「…そうかな。」
ハーマイオニーの優しさが心地いい
暗い道を抜けて少し明るい夜の中に出た時は、私はいつもの落ち着きを取り戻していた
「いっ…たぁ…!!」
「ロン…!大丈夫?」
ロンが木の根元に座り込み、右足をじっと見つめている
心配そうに、ハーマイオニーが駆け寄った
「その傷、どうしたの?」
「…あの人が黒い犬になってる時に、足を噛まれてさっきの部屋まで引きずって行かれたんだ。」
「シリウス…噛みすぎ…。」
傷口を覗き込むと、固まった血が傷口の周りに痛々しくくっついている
血がついている部分は青くなって、すぐには治りそうにない傷だった
「えっと…あったかな…。」
2人が不思議そうに私を見つめている中、私はポケットの中をあさった
そして、ふと目に入ったのがハリーとシリウス
ホグワーツの城を見つめ、2人だけの世界を作っていた
「(親友が残した子どもと話すって、どんな感じなんだろ。)」
なんてことを考えながら、私はポケットの中で探していたものを見つけた