HUNTER×HUNTER

□好きなのは
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「ん、、、ぅ」

微かに聞こえるテレビの音。それは確かに女の声。トーンが高くなったり、速さが変わったり。ゴンはゆっくりとまぶたを開けた。

「今何時だろ……」

時計の針は2時をさしていた。なんだ、まだ夜中じゃないかとゴンは枕に顔を埋めた。微かに聞こえるテレビからの声。その音が聞こえる方を見るとそこにはテレビにヘッドホンをさして夢中になっている愛しい人の姿があった。

「キルア…? こんな夜中になに見てるの?」

その人は返事をしない。音が微かでも漏れているくらいだ、相当のボリュームで聞いているのだろう。はぁとため息をつき近づいていく。いつもならすぐに気づくはずなのに…なんでそんなに夢中になってんだよキルアのバカ。
背後から近づくとキルアの肩に両手をぽんっと置く。それからゆっくりヘッドホンを外してキルア?と声をかける。

「なんだよゴン、起きてたのかよ。なら早く言えって!てかゴンも見るか?コレ!! いい声でなくんだぜー、この女」

何回も呼んだよバカ、と言えばゴメンと青い瞳が揺れる。またこんなの見て、俺じゃやっぱりキルアを満足させられないのかな。キルアはやっぱり女の子が好きなのかな。

「……ン、……ゴンっ」

「あ、ごめん」

「どうしたんだよ」

「ううん、何でも!ない!!!…キルアー、またこんなの見て…もう」

「しょうがねーだろー♪一緒に見ようぜっ」

人の気も知らないで、ホントにバカ。一緒になんて見たくない。一緒にじゃなくても見てほしくない。

「俺はいいや!!」

「えーそういわずにさー!!ほらヘッドホン貸すぜ?♪」

「ううん、いい」

「なんでだよー、ちぇ、もったいねー」

「…うん。」

「お!やっぱ見たくなったか!?!?」

違うよ、嫌になったんだ。俺だけ見ててほしいのに。

「いいっていってるだろ!!」

キルアは眉間に軽くシワを寄せてまっすぐ見つめた。

「ゴン…なにそんなにむきになってんだよ…」

「ご、めん…俺、寝るね」

「ああ、、おやすみ、」

やってしまったとゴンは思った。自分の嫉妬でキルアに嫌な思いをさせてしまった。嫌われてしまったかもしれない。彼に背中を向けるようにしてベッドに戻る。
どうしよう、
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