番外編
□〜翼に渡しちゃいけないもの〜
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ある日のことだった
『あー暑い…
なんでこんな日に体育なんだよ…』
今日の最高気温３５℃
真夏日ってやつだ
いつも元気な翼も今日もさすがに辛そうだ
そんなに辛いならあんなに張り切って走らなければいいのに…
山「んー、やっぱ翼には叶わねえなあ。また負けちまったよ」
『こないだは山本が勝ったじゃないか。』
山「そうなんだけどな。ジュース一本だっけ？」
どうやら賭けをしてたみたいだ
てかいつもあんな勝負してたのか！
獄「翼、ジュースなんて安いもんじゃなくてもっと高いもの奢らせちまえよ」
獄寺くん、翼に変なこと教えないでよ
山「コーラでいいか？」
返事を聞く前にコーラを買う山本
…聞いた意味なくない？
『げ、コーラ？
オレなんかじいちゃんに小さい時からコーラだけは飲んじゃだめって言われてるんだけど…』
え、コーラアレルギーとかってありましたっけ？
獄「なんだそれ？聞いたことねぇぞ」
俺の疑問を獄寺君が言ってくれた
『オレもなんでか知らないんだよな。ま、小さい時の記憶だから間違ってるかもしんないしな！』
そう言って山本からコーラを受け取り飲みはじめた翼
３口ぐらい飲んだところでいきなりカンを落とした
ああ、もったいない…
じゃなくてどうしたの?!?!
ツ「翼？」
呼んでみたけど反応がない
山「おい、大丈夫か？」
獄「…なんかこいつ目がすわってねぇか？」
獄寺君がそう言った時、前から歩いてきた女の子が翼を見て顔を赤くした
「あ、あのっ!!ファンなんです!一緒に写真撮ってもらえませんかっ??」
その声にぴくり、と翼の肩が動いた
『もちろん。キミみたいなかわいい子と撮れるなんてオレは幸せ者だなぁ』
…………ん？
なんか今変な言葉が聞こえたぞ？
『ツナ、なに変な顔してるんだよ？シャッター押してくださらない？』
……くださらない？
は？
どうしたの?!?!
山本と獄寺君を見ると２人とも目を見開いてる
はーやーくー、と言われて慌ててシャッターを押す
シャッターを切る瞬間
ーちゅっ
翼が女の子のほっぺにキスした
ツ「なにしてんのーーー?!?!」
『あとはツナか』
そう言ってこっちに来る翼
や、あとはって何?!?!
全員にするの、これ?!?!
…ちょっとしてもらいたい気もするけど！
いや、でも…！
そんなことを考えてるうちに目の前に来てしまった
『ツナ……』
そう言った瞬間ぱたり、と翼が倒れた
ツ「………。」
…どうやら寝てるらしい
ほっとしたような残念なような…
……残念だったな
翼に渡してはいけないもの…
コーラ
(コーラで酔う人って本当にいるんだ…)
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