お宝小説置き場
□そいつの名は…
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◇YAKO
今朝。
大きな音で目が覚めた。
窓に目を向ければ倒れた目覚まし時計に、勢い良く閉めすぎて蜘蛛の巣ができた窓ガラス。
そして
私の枕元に、『そいつ』は変わらない姿で存在していた。
今朝響いた轟音と、変わっていない『そいつ』の姿に私は作戦が一つ成功したことを感じた。
今日こそあいつに勝ってみせる。
†††
◆NEURO
今朝。
久しぶりにヤコの部屋を覗いたら『ヤツ』がいた。
思わず部屋に完全に体を入れる前に窓を閉めてしまった。
勢い良くやり過ぎたせいでヒビがはいってしまっているが、致し方あるまい。
何せ生命の危機に晒されたのだから。
しかし
『ヤツ』をあんな所に置いておくなどヤコは何を考えているのか。
我が輩、部屋に入れないではないか…。
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