ShortStory

□夢の話:日曜日
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不思議な夢を見た。
よく解らないが、幼なじみの少年が、突然いなくなる夢。いや、いなくなる気がした夢。
二人で遊んだ休日。日が暮れるまで遊んで、別れ際。手を振る彼が、そのままいなくなってしまいそうな気がして。
伸ばした手は虚空を掴む。
そして、オレは叫んだんだ。




「…待って!!」

オレは目を覚ました。嫌な夢を見ていたせいか、寝間着にしみるくらい汗だくになっている。

学校がないというのに、こんなに早く起きてしまった。今の夢は何だったんだろう…。
少し迷惑に思いながらも、もう眠くないし、仕方ないから起きることにした。たまには早く起きるのもいいだろう。一応、時計を確認したが、まだ6時30分だった。
いつもならあと4時間は寝てるな。
…やっぱり寝ようかな?


オレの名前はドリー。13歳。猫族だ。

両親は冒険家とかいって、世界中の秘境とかに到達しているらしい。
月に一度は父さんや母さんから送られて来る手紙が、とにかく楽しみでならない。向こうはほぼ常に、居場所を転々としているから、こちらから連絡する方法などない。すると、向こうからの唯一の連絡である手紙は、自ずと楽しみになる。
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