ShortStory

□※記憶:火曜日
3ページ/24ページ

ポテトサラダ用にイモを潰している間に、切っておいた他の野菜を茹でておく。こうすることで、若干調理時間を短縮できるんだ。
でも、上着を着たままではやはり動きづらいというか、結局無駄に時間がかかってしまってる。
他の部屋の2倍ある寮長室の広さは、こういう日には不利だ。暖房はどの部屋も同じものが置かれているから。

普段ならただ広いことが、開放的でうれしいけれど。



ボクはティム。このアグニ市立魔法小学校の学校寮寮長を務めている。一応、5年生なんだ。
去年まで寮長といえば、6年生が務めるものだったけれど、今の6年生には寮生がいない。
おかげで、寮長はボクが5年生だがやっている。


寮長になると、普通の寮生とは別に部屋が充てられる。学校寮1階、北向きの正門から入ってきて、寮の中すぐ西側の部屋、寮長室である。

ここは寮長という立場上、多人数を集める機会もあるため、他の部屋の2倍の広さを持っているのだ。
ただ部屋の広さとして広いだけで、キッチンやトイレ、シャワー室まで広くなるということではない。あくまでも人が集まるために広いのだ。
とはいえ、普通の部屋には学生が一人暮らすだけのスペースしかなく、余裕があまり無いため、この広さはうれしい訳だ。

まあ、今朝はその部屋の大きさが仇となった訳だが。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ