オリジナル
□特別
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手を握った瞬間に
あなたの手はなんて特別なんだろうと思った。
びっくりする程、どきっとして、
体が火照るくらい、あったかくて、
優しい、大きな手。
手だけじゃない。
あなたの隣にいることも、同じ時代に生まれたことも、すべてが特別。
あなたが、ここにいてくれたから、
私は今、こうして特別な幸せを感じることができる。
「少しだけ遠回りしない?」
私は頷いた。
今、あなたと手を繋いで歩いてる。
あなたの隣にいる
「ねえ、好きだよ」
気がつくと、言葉にしていた。
あなたは、ぎょっとして振り向く。
「なんだよ、突然!」
「好きだから、言いたくなったの」
私は笑った。
あなたの手は私をさっきより強い力で握り締める。そして、強く引っ張った。
「遠回りなんかしなきゃ良かった」
あなたはポツリと呟いた。
歩くペースが速くなった。
私も小走りになる。
でも、やっぱり、あなたは特別だ。