オリジナル

□告白?
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「さなえとやすよ付き合ってんだってさ。」

「へぇ〜」

達也はオレの話には、なんの興味もなさそうに、気の抜けたように言葉を返す。

「しかもさ、賢とはじめもだぜ、」

「そうなんだ。」

さっきから、達也はオレの話を聞いてるのか聞いていないのか分からない。

さなえとやすよは女同士で、
賢とはじめは男同士で、
交際を始めたらしい…

「おまえは、もっと反応しないわけ?同性愛だぜ?うわっ、とか思わねぇの?」

「いや、別に、なんとも。すごいなぁとは思うけど。」

達也はさっきから本に夢中だ。
オレの顔なんか一切見ずに、本を読みながら、また気のないように言葉をかえす。

「それだけ?おまえ、気持ち悪いとか思わないの?」

「思わないよ。俊介はきもいとか思うんだ?」

達也の言葉に、少しだけ戸惑う。
きもいなんて思えるはずがない。

達也が同性愛のことを気持ち悪いと思わなかっただけで、もう心はこれ以上ないくらい安堵してる。


「思わないけど…。」

「そっか。」

達也はオレの話なんか興味なさそうだ。


「でも、おまえ少しは気にならねぇの?」

「なにが?」

「同性同士ってどうやって付き合ったんだろうとか…色々謎じゃん。」

「…どうやってって…普通にどっちかが告白したんだろ。」


いや、多分そうなんだろうですけどね…。

でもさ、普通告白なんてできなくね?
だって、男同士だぜ?

おまえ、オレに告白されたらひくだろ?
絶対。

普通は告白なんて、絶対むり。
ってか、オレには無理。
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