オリジナル
□桜並木の帰り道
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毎年のようにどの桜もピンク色に染まっていた。
病院からの帰り道、私はピンクの屋根に吸い寄せられるように、今、桜並木を歩いている。
満開の桜たち。
どの桜も、綺麗だった。
私はゆっくりと、桜の木、1本1本の桜を見上げながら歩く。
どれだけ見ても見飽きなかった。
毎日、毎日見ていたというのに…
桜並木を歩いている人は、私だけではなかった。
手を繋いで歩く家族連れ。
赤ちゃんとお母さん。
大きなカメラを持った男性。
ジョギングしている人。
車椅子に乗ったおじいさんと、椅子を押すおばあさん。
孫とおじいちゃん、おばあちゃん。
カップル。
中学生。
腕を組んで歩く夫婦。
一杯いた。
私は、その人たちのことも見つめる。
どの人も幸せそうに、楽しそうに桜を見上げていた。
「綺麗だね」
っと笑いながら、