オリジナル
□ただいま
1ページ/3ページ
電車の窓から見える景色が少しずつ見慣れたものに、懐かしいものに変わっていく。
自分の体が電車の振動に合わせて揺れるたび、僕の胸は弾んだ。
帰ってきた
そう思った。
東京で過ごしていた僕。
そんな僕という存在はまるで別の誰かみたいだ。
僕と同じように電車に乗って揺れる人々を見て懐かしいと感じる。
知り合いなんて1人もいない。
でも、なぜか懐かしかった
なぜだろう?
同じ人間なのに、同じ日本人なのに、どこか違う、
故郷の人たちは…みんなどこか懐かしい雰囲気があった
帰ってきて改めて自覚する
僕はここが好きだ
僕の生まれた町、暮らした町はここなんだ
当たり前のことなのに、ゆっくりと自覚していく…