長編

□仮面舞踏会
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王族、貴族だけでなく、仮面さえつけていれば、どんな者でも参加できる舞踏会がありました。

ただの召使も、騎士も、商人も、農家の娘も、そこに参加できないものはおりません。
ただ、仮面をつけていれば、それでよいのです。


ただ、その仮面舞踏会のルールは1つだけ

誰にも素性を明かしてはならない。


それだけが、この舞踏会のルールでありました。


ある者は、この舞踏会で、初めてのワルツを踊り、ある者は恋をし、

家柄も、身分も、何もかもを捨て、ただ踊り明かす。


少女も青年も紳士も婦女子も誰も彼もがただ踊り続ける。


・・・


「お母様は、そこで大切な人と出逢ったのよね?」

1人の少女がそう尋ねた。
その少女の母は、優しく微笑む。

「そうよ。」

少女の母もまた、この舞踏会に参加したことがあった、

「私も、そんな人と出会えるかしら?」


「きっと、出逢えるわ。」

少女の質問に母は優しく微笑んだ。
少女も母の答えに嬉しそうに笑った。

「私も、早く踊りたいなぁ」

そう言った少女の頭を母は優しく撫ぜた。



1,仮面舞踏会
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