オリジナル
□渡す?
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店を出ると、冷たい風が吹いていた。
寒い。
こんなに寒いんだ。
彼女の誕生日ではないけど、手袋くらい喜んでうけとってくれるはずだ。
でも、いつ渡せばいい?
どこで?どうやって?
彼女は確実に喜んでくれるだろう
それは、なんとなく想像できる。
しかし、渡しにくい。
何もやましことはない。
だから事のついでにさっさと渡してしまえばいい。
買ったばかりの袋を見れば、なんとも複雑な気持ちが心をしめた。
本当に何で買ってしまったんだ。
そう思いつつも彼の足は自然に彼女の元へ向かっていった。