オリジナル
□さて、行こうか
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ーさて、今日はどこへ行こうか。
少年は自転車をこぎながら思った。
ー夢の世界を旅するのもいい。
河川敷でただこぐのも捨てがたい。
いや、あてもなくただ、このままこぎ続けるのもありかもしれない。
少年は珍しく悩んでいた。
行きたい場所も何も考えず少年はいつも、ただひたすら自転車をこいでいたのだ。
少年はまさに旅人だった。
世界どころか次元も、行ける所にはもうすべて行きつくした。
だからこそ、少年は今、悩んでいるのだ。
様々な国へ行き、様々な人々に会った。
色々なことを知った。
そのすべては、少年の心に深く焼きついている。
ーさて、次はどこへ行けばいいのか。
迷っていれば声が聞こえた。
様々な人の声や思い。
色々な音が聞こえた。