オリジナル

□道
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気づけばまっすぐ伸びた道を私は1人で歩いていた。

先は果てしない。

道はただまっすぐ。
ずっとまっすぐ。

私はその道を、ただ歩いていく。

道を歩いている途中で、ある女の子にあった。

「こんにちは」

と、挨拶すれば、彼女もにこやかに返してくれた。

彼女の道と私のまっすぐな道は隣同士で、

彼女は彼女の道を、
私は私の道を、私たちは歩いた。

その後、ある男の子に出会った。

「道は長いね…」

と、彼は私たちの会話に入ってきた。
私も彼女も彼の言葉ににこやかに返す。


彼は彼の道を、
彼女は彼女の道を、
私は私の道を、

私たちは歩いた。


私たちは一緒に歩いているけれど、道はそれぞれ違う。

たまたま、それぞれの道が隣同士になっただけだ。


でも、その3つの道が、突然1つの道になった。


でも、道の先には大きな壁。

「どうしましょうか?」

と、彼女は困ったように言った。

「登る?」

と、私は提案する。

すると、

「じゃぁ、俺が2人をしたから押すから、君たち2人は壁の上に登ったら、俺を上に引っぱってよ」

と、彼が素晴らしい提案をした。

まずは、私が彼の背中にのり、
壁の上を目指す。

彼は懸命に踏ん張って、私も精一杯の力を出して、壁をよじ登る。


その次は彼女。

そして、彼、の順番で壁を越えていく。


壁を越えた先にあったのは大きく3つにわかれた道だった。


どの道もばらばらで、隣同士になることはない。


全部行き先はばらばら。


「ここで、お別れみたいですね」

と、彼女が呟いた。
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