オリジナル
□手を繋いで、一緒に歩こう
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大丈夫だよ。
心配しないで、私がいるよ。
だから、歩こう。
一緒に歩こう、手を繋いで、そうすれば怖くないよ。
・・・
「将来が不安でさ…」
「不安?何で?」
「将来の夢が…実現できるかわかんなくて、・・・・心配になってきちゃってさ」
私は、ひとみちゃんの言葉に俯いた。
行動的でパワフルで、夢に向かって突っ走っていくようなひとみちゃんが…ここまで将来に不安に感じているとは思わなかったのだ。
「てるちゃんは、そんな風に思ったことない?そういう風に思ったことない?」
不安になったことはある。
心配になったことだっていっぱいある。
でも、今はない。
「今はないかなぁ。だって、まだ挑戦してもないからさ…不安になるのは挑戦してからみたいな・・・。」
「そうかぁ。」
ひとみちゃんは、不安そうに呟いた。
私もそれきり何も言えなくなる。
私たちは、今、将来という大きな扉の前にいる。
扉の先には何が待っているかは分からない。
明るい未来なのか。
暗い未来なのか。
それは、自分が扉を開けてどう行動するかで決まる。
不安になって当たり前。
だって、私たちはまだ何にも知らない、卵からかえったばかりのひよこ。
世間のことは何も知らない。
大人の世界も、社会のことも、
でも、守ってくれる人はいない。
戦って、前へ進む自分を信じるしかない。