オリジナル
□下を向く
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僕は今年大学に進学するため、田舎から都会…まあ東京に出てきた。
あふれんばかりの人、人、人。
とにかく人ばかりだった。
自由を求め空をみれば、僕を取り囲むようにしてたつビル、ビル、ビル。
ここでは空は自由の象徴ではなく、果てのない大きな鉄格子に思えた。
僕を圧迫するようにビルはたつ。
おまえは小さい存在なんだぞっと僕に思い知らせるように…。
そのとき僕は
あぁ、そうか。と思った。
東京の人が空を見上げないのは、東京の空には自由がないと、無意識に感じているからなのかもしれないと。
ねぇ、空を見てみてよ。
どこまでも果てがなく見える空。
でも、都会の真ん中でビルに囲まれて空を見れば、空は狭く感じる
暑苦しくて、僕を虚しくさせる。
僕は思う。
空はこんなに狭かっただろうか、と。
僕は思う。
空はこんなに悲しいものだっただろうか、と。
完