☆ムスカの小説☆
□パズー×ムスカ
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パズーとシータはティディス要塞にて別々の部屋に捕らわれていた。
ムスカは要塞についてすぐ、シータに会う前にパズーの部屋へと向かった。シータから何か聞き出していないかそれとなく探るつもりだった。
自分の知らない重要な事を知っているようだったら脅して聞き出せばいい。
扉の前に見張りがいた。
ムスカに向かって敬礼をする。
「少年に面会する。その間席を外してくれ。休憩室で一服でもしてきたまえ。」
「!?しかしっ!」
「そもそもこんな小僧見張るにあたいしないのだ。私なら大丈夫だ。」
「しっしかし万が一抵抗でもしてきたら…!?」
ムスカの装っていた紳士的な表情がみるみる険しいものに変わる。
「君は何か?私がこんな小僧にやられるとでも?万が一でもそれはあるまい。見くびられたものだな。」
「わっ…私はそういうつもりで言った訳では!」
「私は忙しい。早く命令通りに動け。」
見張りの兵は青ざめた顔をして扉の鍵をムスカに渡すと逃げるようにその場をあとにした。
ムスカが見張りを外したのはパズーとの会話を聞かれない為にだった。何かあればすぐ将軍に話が伝わってしまうからだ。
カチャカチャ。
「気分はどうかね?」
ムスカが中に入ると部屋の中央につっぷして寝ているパズーの姿があった。
(まだ気絶したままか。)
ムスカはパズーの肩を掴み軽く揺さ振った。反応がない。
その後もムスカはしばらくパズーに声をかけたり揺さ振ったりしていたが反応が無いので諦めて出直す事にした。
後ろを振り返り扉に手をかけたその時…後ろから少年が動き始めた音がした。
「パズー君。目が覚めたのかね?」
と再び振り返ろうとした瞬間後頭部に激しい衝撃を感じた。
パズーは気絶したふりをして隙を伺って渾身の力でムスカの頭にドロップキックをくらわせたのだ。
ワイン便で殴られてから1日しか経っていない所に再び打撃をうけてムスカはそのまま扉に体を打ち付けながら気を失った。
「ふぅっ…こんなに上手くいくとはね(^.^)b」
(茶色いスーツに色眼鏡…。こいつがシータが言っていた奴か。)
パズーはムスカを部屋の中央までひきずり観察した。
(ん〜どうしよう。腹いせに一発お見舞いしてやろうと思ってただけなのに気を失われるとはおもってなかったな。結構いいガタイしてるのに弱かったな)