☆ムスカの小説☆

□ムスカ×パズー ラピュタにて
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と命令した。
パズーは涙を拭いムスカに銃をつきつけられながら指示どおり歩いた。
しばらく歩き、辿り着いた所はガランとした薄暗い広間だった。中央に石のテーブルが置かれ、奇妙な文様の壁には美しい装飾の旗が飾られている。
ムスカは部屋全体を眺め回すとパズーに振り返りニヤリと笑った。

「玉座の間をこれ以上汚す訳にはいかんからな」

「これ以上?」

ムスカは軽く笑いを漏らすとパズーに向かって

「脱げ」

と冷たく命令した。

「なっ…何故!?」

パズーはムスカの意図がわからず狼狽えた。

「私は念願を果たして自分でも信じられない程高揚しているのだ。それを鎮めるには精を放つのが一番だ。」

パズーの顔が予期せぬ状況にひきつる。

「僕は男だぞ!?」

「それがどうしたというのだね?」

ムスカはどうといった事も無いといった調子で淡々と答えた。

「殺されたくないのだろう?早くしたまえ。」

俯いたパズーの額から冷や汗が流れ、握り締めた拳は震えている。パズーはしばらくそのまま硬直していた。

「フフフッ君は自分で服を脱ぐ事もできないのかね?…いいだろう。私が手伝ってやる。」

ムスカがパズーの肩に手をかけた。

「や…やめろ!!」

パズーは必死で暴れてムスカを押しのけようとした。しかし足元に蹴りを入れられて地面に転倒した。

「いつつ…」

パズーは蹴られた足を擦りながら体を起こし冷たい床に身を起こした。ムスカは屈んで、床に座るパズーに目線を合わせると優しく囁いた。

「パズー君…私はこれ以上手荒な真似はしたくない。大人しく言う事を聞いてくれるね?…」

大人が子供に語りかけるような口調だ。ただその瞳は微動だにする事なくパズーを見据えている。パズーはこの男の、人の精神をゆさぶるすべに恐怖を感じた。かなわないと悟ったパズーは唇を噛みしめてベストを脱ぎ捨てた。
ムスカは満足気な様子でそれを眺めると壁にかけられていた旗を持ってきた。軽く埃を払うがあまり汚れている様子はない。どういった原理かわからないがこれもラピュタの科学力のなせる技なのだろう。
そしてムスカはその旗をパズーの前にひいた。かなり大きな立派な物だ。

「床は冷たいからな」

シーツ代わりという訳だ。ムスカは自らの上着を脱ぎながら、パズーに旗の上に移動するよう指示した。旗といっても厚い生地でできていてたくさんの刺繍が施されているのにも関わらず表面はとても滑らかだった。
ムスカは更にスカーフを解きシャツの前を開いた。パズーは移動しながら、これからこの上でされる事を考えると戦慄した。シャツのボタンを外そうとしても手が震えてしまい上手く外せない。

「どれ、私が外してあげよう。」

ムスカがパズーの手を掴んでどけるとボタンに手をかけた。
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