おお振り

□オレに恨みでもあるのか
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授業中、真面目に授業を受けたり、寝ていたりする奴がいる中、こんな奴もいる。

「花井ぃ」

「なんだよ」

「消しゴム貸して」

「ほら」

ここまではいい。だが、ここからが問題だ。



「花井ィ」

「なんだよ」

「お金を下さい」

「はぁ」

「金欠なんだよ」

「それをオレに押しつけるな」

「じゃあ缶ジュース買って来て下さい」

「イヤだよ」

「じゃあ購買行け」

「だからイヤだっつーの。しかも命令形にするな」

「じゃあ弁当をよこせ」

「なんでお前にやらなくちゃなんだよ」

「それは、私と席が近くなってしまった者の運命なんだよ」

「はぁ、お前と話していると疲れる」

「そう、ありがとう」

「褒めてねぇよ」

「あ、そうだ。花井はこの前寝てて知らないと思うけど、明日期限の提出物あるよ」

「は?まじか」

「まじだ」

「どこやるんだよ」

「提出物が分からない花井君に、優しい私がノートを貸してあげようじゃないか」

「なんか企みがあるだろ」

「おぉ、話が早い。流石は花井君ですね」

「分かりたくないけどな。あと口調を戻せ」

「はいはい。じゃあ本題にはいるよ。条件は、『誰かに告白』して」

「はぁ!?」

「ちょ、驚きすぎ。あと今日は何回『はぁ』を言う気なんだ」

「いや、あのなぁ」

「動揺しすぎだって。大丈夫、さっきの冗談だから」

「え」

「何、告白したかったの?」

「ち、違っ」

「そんなに慌てなくても分かってるって。冗談だって言ったでしょ」

「じゃあ、条件って言うのは」

「それは簡単」

「………」

「花井をこれからも、いじるよ」

「んな」

「拒否権はないから。安心して、提出物はちゃんと見せてあげるから」

「お前、」




オレに恨みでもあるのか





(それでも、楽しいなんて思ってしまう)



確かに恋だった

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