話
□ミライユメミル
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ゴンッと大きな音を立てて、私は頭を殴られた。
歪む視界にカランと乾いた音を立てながら横たわるバット――いや鉄パイプかもしれない――を見た。
そうか、今日は撲殺されるのか――。
ぐらつく体を支えきれず膝からがくりと地面にへたり込む。痛みが頭の中を鈍く通過する。頭蓋骨を砕かれる思いだ。
しかし実際感じているのは殴られた痛みではない。偏頭痛のように、あくまで内側からくるものだ。
片手を地面につき体を支え、もう片方で後頭部に触れる。べとり、と手に付着するのはもちろん自分の血。
近くによって来たローファーがバットを拾う。
薄れていく意識の中、私はそろそろ夢から覚めるのを悟った。