神も仏も

□世間話
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書き込みを繰り返すうち、鏡也という人間がだいぶわかってきた。

まずは返信が遅い。
それに関しては鏡也は高校生なので忙しいのかもしれない。と言っても自殺願望者が学校に行っているかは疑わしかった。
ワタシは仮にも受験生だし、周りと合わせて学校にもきちんと通い、勉学に取り組んでいた。
ヘタに学校の話題を振っては自分が高校生だと偽った中学生なんだとバレる恐れがあった。
あっちから振ってくることはないし、触れぬ神に祟りなしだ。


鏡也はたまに、全く関係ない話題を持ちかけてきた。
寒くなってきただの、熱いコーヒーが飲めないだの、ミルフィーユが綺麗に食べられるのだと自慢してきた。
確かよく行く喫茶店の話だった。ワタシも行ったことのある喫茶店だったから、もしかしたら会ったことがあるかもしれない、なんて話をしていた。
独特の雰囲気のある面白い店だ。手紙を店長に預けると、言伝として渡してくれたり、一生保管してくれたりするのだ。



サイトの掲示板を覗くと鏡也からのレスがあった。

『明日会えないだろうか』

前後の流れは無視だった。
だがもうそろそろだと感じていた。




――馴れ合いを続けると死にたくなくなってしまう。






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