つな受文B

□キスをして眠るまで
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(パチパチの綱吉視点です。)


『キスをして眠るまで』



「つなよし」

ゆっくりと雲雀さんが名前を呼ぶ。

「つなよし」

呼びながら頬を撫でる。
ゆっくりと撫でられる。
暖かい指から体の中へ、じわりと何かが入ってくる。

「つなよし」

何も答えなくても繰り返される。

「つなよし」

上げることの出来なかった顔を上へと向ける。

「ん・・・」

唇が触れ合う。

何度も触れ合う。

雲雀さんとキスをする。

からっぽの心にもじわりと暖かいものが流れて

「ひばりさん」

乾いた声でアタエテくれるばかりの愛しい人の名を呼んだ。

「ひばりさん」

何度も何度も。

「ひばりさん」

愛して欲しいとしがみつく。
何度も何度も貪欲に。

「愛してる」

言うより早く答えをくれる。
何時だって自分が思うより先に俺を抱き締めてくれる。

「足りない」

なのに
揺るぎない愛がここにあるのに。

「愛してるよ。つなよし」

「もっと」

ボロボロに疲れた体が求めてしまう。

「つなよし」

「愛してる」

浮き出た鎖骨にかじりついて

「まだ足りない」

頬に歯をたてて

「つなよし」

ぐしゃぐしゃな心ごと吐き出す。

「愛してる」

一晩中、目を閉じるまで。
閉じてもずっと雲雀さんの声が聞こえる。





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