不死鳥
□宴
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彼女が白髭海賊団の一員として正式に迎えられた事で宴は更なる盛り上がりをみせている
あの後ちょっとした自己紹介と挨拶を済ませてその場に下ろしてもらった彼女には先程までチラついていた不安定な部分は跡形もなく姿を消していた
今は大勢出来た兄達に囲まれて揉みくちゃにされながら嬉しそうに笑っている
ようやく兄弟達から解放されたマルコも彼女の傍に近づけないでいた
自分では無い男共に囲まれて嬉しそうに頬を桃色に染める彼女を見ているのは…
それがたとえ兄弟達と言えど面白くない
そもそも甲板に出てすぐに兄弟達に絡まれて、気づいた時には彼女は自分の元から離れてしまっていた
やっと見つけたと思ったら親父に抱えられていて…
親父の顔のすぐ傍、至近距離にいる彼女の手が親父の顔に触れているのも気にくわなかったというのに・・・・・
いったい自分はどうしてしまったというのか…
そもそも彼女とは夢で逢っていたとはいえ言葉を交わした事すら無かったというのに
彼女が自分の前に突然現れて目覚めてから数時間しか経っていない
確かに多少言葉を交わしたが、それは彼女の今置かれている現状説明のようなもので、自分はまだ彼女の歳すら知らないというのに…
そんな自分に気づいていてももぉ抜け出す事すら出来ないだろう…
嫌__
抜け出そうとも思わないが正しいか…
「…ククッ…ハマっちまってるよい……」
マルコは髪をクシャっと鷲掴み自嘲気味にその顔を歪めていた
。