再会

□ハルシネーション
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「紅茶と間違えて幻覚剤を飲んだだと!?」


焦りと怒りをかき混ぜたような声でそう言って「何処の馬鹿がそんな間違いすんだよ」

そう続けたエースの瞳がローを睨み付けた


「メルがその馬鹿だ」


こっちも困ってるんだよ_そう言いたげにエースを見返すロー



残念ながら間違えを犯したのは彼女なのでエースも口を瞑るしかない、客間のソファーに腰を下ろすと観念したように大きなため息をひとつついた


「二・三時間で眠気が襲って、目が覚めた頃には正気に戻る、それまではあの厄介な悪魔の実を使われても困るからな」


壁にもたれたままローは困ったというように顔を顰めるわけでもなく、興味も関心もないような口調でそう言うと、視線をエースが持ってきた飴の瓶へ移し言葉を続けた


「俺がお前に見えているうちは、アイツを刺激しないためにも俺がお前を演じる」


「ッ...」


確かに、こんな海のど真ん中で太陽の能力を使われれば俺もコイツも一瞬にして海の藻屑だ、エースは嫉妬のような悔しさを堪えローの言葉に頷いた




















視界が揺れる...


ふわふわとした浮遊感がなんだか楽しくも思えてくる

メルは部屋に戻りエースと思い込んでいるローをベッドに腰かけ待っていた

私は彼の事を男性として好きだと感じるし、気持ちも伝えることが出来た

こんなにも甘くとろけるような感情は久しぶりで、心の奥がじんわりと温かくなった気さえする


好きだなんて口が裂けても、夢だったとしても告げる気はなかったのに...


不思議と伝えたくなってしまったのだ...



「今日の私は、私じゃないみたい...」


ほら、こんなボヤキも口にしてしまうなんて...




変なの...





揺れる視界を瞼を閉じて避け、心の奥でフッと笑う



そうしているうちに部屋のドアが開く音がして、閉じた瞼を持ち上げた






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