再会
□陰翳
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恋とは何なのか
海辺の朝らしい爽やかな情欲...
時に、夏の太陽を思わせるような激しく情熱的なものなのでもある
だがそれも...
雪解けのように...いずれ溶けてしまう
私の場合は...
生温い湯に浸かっているような...
熱くもなれて、冷たくなるのも...
そう...すぐだ_______
ハートの海賊団を離れ、一日かけてモビー号へ戻った二人、そこにはグリフォンの姿もあり、ホッとしたのも束の間であった
「あれは...」
「ドーマさんですね」
ストライカーから降りる時、ドーマの船がモビー号の向こう側に隠れていたことに気が付きメルがこたえるとエースは驚喜に近い表情を顔面に張らした
白ひげ海賊団の傘下の一つであり、かつてエースにより一味が降伏させられたとかなんとか...
肩に猿を乗せていて、逆手持ちの二刀流剣士
たしか...よくは覚えていないが異名があった気がするが
そんなことを考えながらメルはエースに抱えられたまま梯子を上ってもらい甲板へと降ろしてもらった
「炎で上まで運んでもケガはしませんよ?」
太陽なので_そう付け加えてエースに言ったが彼は今後も炎で私を持ち運びすることはないだろう
いいんだ_そう言って困り顔のまま愛想笑いを浮かべた彼はそれを隠すように私に背を向けた
彼は気が付いているのだ...
私が、炎を恐れていることに...
脳裏に再生されようとする記憶を無理矢理に忘却の彼方へと押し込め誰も気が付かない程度の溜息を一つついた...
いつの間にか船の甲板の木目へと視線を落としていた私の耳に、ウキャッ_と慣れない動物の鳴き声が届く
私が顔を上げる前にエースが小走りにそちらへ向かったのが視界の端に映り彼の背中を追うようにしてそちらへ目を向ける
「ドーマ!おかえり!」
「おぅ、ただいま、元気だったかエース、それに、メル、お前も」
「...はい」
そう言いながらも私は彼の肩に居座る猿に視線を送った
初めて会った時も『話してるのは俺なんだが』とドーマに言われるほどに、私の視線は猿へと注がれるのだ
だって...
気にするなという方が無理だ
久々の再会なのだが相変わらずメルの表情は感情というものを欠落させていて、それに...俺の肩に乗る猿にばかり目を向けている
ほら、遊んで来い_そう言って肩から猿を降ろすとやっと妹は視線を合わせるのだ