副船長

□始動
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朝、目が覚めて一番最初に感じるのは波の音と潮の香り…海鳥の鳴く声……

アチラにいた時はどれも感じなかったものが当然のようにある

ゆっくりと意識が浮上していく感覚と外から感じる陽の光の明るさにまだ閉じていたい目を擦りこじ開ける

「擦るな……」

目を擦っていた手を突然掴まれたと思えば聞こえてくる落ち着いた低音…

開いた目で確認出来たのはベッド脇に置いた椅子に腰掛け何か資料を読んでいるらしいベンさんの姿だった

「……ん?…ベンさん……?」

「まだ寝ぼけてるのか」




「…………………ゴメンナサイ…」

暫くの間が空いた…。
その後発せられた声は本当に申し訳無さそうな謝罪だった
酔っていたし、感情が素直に表に出てきただけで彼女に非は無いと言うのに…謝る事がクセになっているのか…
今は置いておくか…
今にも萎れてしまいそうな彼女をこのままにしておく訳にはいかないだろう

「いや、俺が悪かった……調子に乗り過ぎた」

「そんな事!!…」

何か言おうとする彼女を遮って手を握り目を合わせた


「…許してくれるか……」

少し首を傾げるように私と目を合わせてくれたベンさんがちょっと可愛いんですが…解ってやってるな……


「……フッ…もちろんです(笑)」

和んだ空気が揺れる、グッと引き寄せられた身体が傾いていつの間にかベンさんに抱き締められて

「…ッビックリした……」

「…蘭……
今回のは冗談だったが覚えていてくれ

俺はそういう意味でお前を見てる…
お前の準備が出来るまで待つつもりだがな……」

「…………えっ///!!!………………ハイ///…」


真っ赤な顔で俯いてしまった彼女はなんて可愛らしいのだろうか……
我慢も長くは持たないだろうな……
ベンは気付かれないように息を吐くと心の中で一人ゴチたのだった





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