グリフォン
□熱とエースとマルコさん
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マルコのベッドの上で静かに呼吸をするメル
点滴も終わり状態は回復に向かっているようだ
マルコは先ほどの自分の焦り様を思い出し、メルを見下ろし一言
「クソガキ・・・・」
・・・・・・
視線を机にやり書類の続きを…
コンコン_
ドアが鳴りまた視線を変えるとサッチが立っていた
「ほら、コーヒー・・・!?どうした;!?」
そうだった…あの時甲板に置きっぱなしに…
サッチはコーヒーをマルコに押し付けるとメルの元へ駆け寄った
「熱でぶっ倒れたんだよぃ・・・・・」
マグカップに口を付け、苦みと熱いコーヒーが冷え切った食道を通過してゆく
サッチの背中を横目に、書類の前に座り整理の続きに取り掛かる
「熱・・・?そうか…無理したんだな、可哀想に・・・」
サッチはメルの額に粒を作る汗をタオルで拭ってやり、その表情を苦しそうに歪めたがスグに眉間にしわを寄せて、クソッ_と手を拳に変えて怒り始めた
「今日はエースが帰ってくるっつうのに・・・あの野郎…何余裕かましてゆっくり帰ってきてるんだクソ野郎…」
帰って来たら一発殴ってやる…
ブツブツと口を尖らせて言うが、マルコは頭の中でフランスパンのようなサッチの髪が燃やされるのを思い浮かべる
多分、燃えるだろうな…
「朝飯はできたのかぃ?」
「っ…まだだ、マルコ、頼んだぞ、クソ野郎にメルはもったいねぇ、会わせてやらねぇぞ俺は」
半ば八つ当たりのような強い口調でそう言うとサッチは退出して行った
誰なら、勿体無くないのか・・・・
あぁ、ダメだ、無駄な考えしか思い浮かばねぇよぃ…
相当瞼が重い・・・
まだ冷える身体をどこで温めるべきか…
この部屋で暖かい場所はベッド以外ない
だがそこには小さなメルが眠っている
「・・・・・・・・」
やっぱり…このクソガキ・・・・
本当に面倒しか起こさない奴だ…
なぜコイツの為に自分がベッドを譲らなければならないのか
チッ___舌打ちを一つし、マルコはベッドへ入り眠るメルを抱き寄せた
「ム・・・・ウゥゥ・・・・」
少し顔をゆがめた後、また元の表情に戻し眠りを続けるメル
少し開いた唇・・・・・・
「・・・・」
なんでこんなガキ一人に…
俺が
振り回されなきゃならねぇんだよぃ・・・・
「早く笑えってんだよぃ…」
・・・・・・・・・クソガキが・・・・
やはり、寝不足で思考が狂っているようだ
思っていること、言っていること、行動がバラバラだ…
マルコはまるで恋人を抱き寄せるようにすっぽりと腕に収まったメルを抱きしめた