再会

□陰翳
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「何か用があってきたのか?」


「あぁ、まぁそうだったんだが、早々に解決してな、もう船を出そうと思ってたんだ」


そう言った彼は苦笑いではあったがどこか清々しいようなそんな表情を浮かべ、ほんの一瞬だが視線をマルコの船室へと送った


「...ドーマさん、気を付けて」


そう言っていつものようにココア色の飴玉を差し出す妹、ココア味のキャンディ...

初めて飴をもらった時、なんだか嬉しくなって、飴玉をその場で含んでガリッ_と噛んだのを思い出した

『今度からは噛まないで下さい』

喜びも悲しみも浮かべぬ無表情で無感情な声にそう言われ、しくじったとあの時は苦笑いを浮かべたが
今はちゃんと口の中で溶けきるまで飴玉を含む
 
可愛い妹が嫌がるようなことは避けたいからな...













ドーマも見送り、日の沈んだ船の上、白ひげお父さんと視線が合う...



「ただいま_お父さん...」

「親父、ただいま!」

「あぁ...おかえり___」



当たり前のことが、私には胸をクスぶるほどに幸福なことと思えるのだ...

見渡せば大勢の家族が私を迎え入れてくれる


私の大切な人たち...


エースさん、あなたも...




ふと持ち上げる視線、その先に微笑を浮かべるアナタ








見下ろすといつもの無表情な上目遣い、だが、今日は少し...

いや、全然違うんだ


メルとやっと両想いになれたんだ...


やんわりと心が羽毛に包まれるような心地に襲われて、エースの表情はゆるゆるに緩まる


そっと頬に伸ばした手、それを避けられることはもう無い


彼女の唇が少し開いて...




「エースさん...私はもう休みます、おやすみなさい」




「え...あ...ぉ...ぉう...」




スッタスッタ_と、なんの後腐れもなく立ち去る彼女


あれ?...



これじゃァ何も変わってな...いや、違う、彼女は確かに言ったんだ『好き...』


「ん?」



あれ?...


言ってたか.........?



『これを恋だと言わずになんといえばいいのでしょうか?』



そう、アレだ!
彼女は俺に恋してるんだ!





「ぉいぉい、何一人で顔芸やってんだよエース」


頭のネジ落っことしてきたんじゃねぇのか?_


そう言いながら甲板をキョロキョロと見渡しながら話しかけてきたのはサッチだった

多分俺のネジを探してくれているのだろう



「落とした覚えねぇからな...」


「ハハッ_冗談冗談、で、どうかしたのか?」


サッチはそう言うと俺の肩に手を回して、キッチンへと誘導させられた


出てきたのはマグカップに入ったホットワイン、サッチも同じものを自分の前へ置いて椅子へと腰を下ろした


「飯は食ったのか?」


夕食は途中の島で調達してストライカーの上で二人して食べた


「まだ食えるぞ」


「いや、食ったならいいんだ」


お前の心配はしてねぇよ_そう付け加えて呆れ顔を浮かべた











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