副船長

□始動
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「アイツってお前の前ではあんなんなのか!?」

「……そうですね〜。
いっつも気遣って頂いてますね」

「そうじゃなくってよ!!「あんないっつもデレデレの甘々なのかって!?」」

「……ソレ聞いてたら冷気流れそうですね(笑)」

ビクッ!!…キョロッキョロッ__

「大丈夫ですよぉ〜いませんから(笑)」

「「驚かすなよ!!」……お前おもしれぇな(笑)」

「…褒め言葉ですね、ありがとうございます(笑)」

宴の時も思ったがなかなかに肝の据わったお嬢さんだな(笑)
俺達海賊を前に物怖じの1つもしない、それどころか軽口で返す度胸もある
凪の海みてぇーだな……
疑ってるコッチが馬鹿みてぇーだ…
ウチの頭脳である副船長がああなんだなるようになるだろぉよ……

昼間っから嫌むしろ朝っぱらから酒盛りを始めようとするヤツらの隣でニコニコと楽しそうに笑っている女の存在がこれからはオレらの日常になるのだろうと、まだ見ぬ先に思いを馳せた…


______

用が片付いて彼女を探していると甲板から聞こえてくる賑やかな声、船員達が組手をしているのを少し離れた場所から見学している蘭を見つけて思わず顔が緩む
それも次の瞬間には彼女を囲むようにいる若い船員達の存在に歪む事になったのだが…

「……蘭……待たせたな…」

俺の声に不思議そうに近寄って来た彼女を連れ船を降りた所で彼女が口を開く

「何かありましたか?…」

「……いや」

「機嫌あんま良くないですよね」

「……ハァー
今はいい……」

「フフッ……そうですか
じゃ、よろしくお願いします(笑)」

「フッ……ああ。」





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