メイド

□ご主人の記憶
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彼への第一印象は...




孤独









海軍本部の議場正面で闇を滲みだすようにして座る国王
私は片膝を付き首を垂れる

隠された牙がいつ襲ってくるかわからぬ中
緊張がばれぬよう、にっこりと愛想のいい笑みを浮かべた...



「ティアと申します、お会いできて光栄です」



...。



向かい合っているだけで胃が締め付けられるようだ...


彼の鋭い視線は私を一度見ただけですぐにセンゴク元帥へと移された



「二人...と言っていなかったか?」



どうやら私では不服という事か...



「彼女は体調不良の為、今回のお話は無かったことに、と言付かっております」



貴様になど聞いていない___そう言いたげな視線が私を見下ろす



「どうか、私をお連れ下さいドラクル国王陛下」





_________________







クザンが議場へと到着したのはドラクル国王を今夜泊まる宿に送った後だった


議場にはセンゴク一人が眉間に深い皺をよせ頭を抱えている様子だった


「あらら、王子様は帰ったの?」


彼が会議やらに遅刻することは珍しいことではなく、そんなクザンに対して怒鳴りつけるのも疲れた様子でセンゴクは一睨みした後に溜息と共に呆れた口調で彼を自席へ座る様指示した



「...

今日はもう宿に戻っただけだ...座れクザン...」


いつにも増してセンゴクの声は重く、慎重に思えた...



「お前のメイド...
メロちゃんの事だが...」


お前もわかっているんだろう?_

そう言いたげなセンゴクの表情にクザンは沈黙で不服を現した...



「今のドラクル国王の元メイドがメロちゃんで
彼女は無断でメイドを辞めて今の海軍メイドをしているんだが...
私も彼女がメイドを辞めた経緯は知っている、お前ももう知っているんだろう?」


メイド試験終了後、センゴクはメロの履歴を調べ上げ、彼女の履歴に不審な点を見つけメロ本人に問うたのだ

彼女は少しの戸惑いも見せずに答えた


主人を刺した_と...


詳しく聞けば聞くほどに彼女への待遇がどれほどに酷いものだったかが浮き彫りになったが、その証拠となるモノは何もなく...

あったとしても、王族の一人をメイドへの体罰で検挙することは出来なかっただろう...


センゴクにできる事と言えば、彼女をこのマリンフォードで匿うことぐらいだった



「...彼女を元ご主人に返してやる気もないし
彼女も望んでない...
ま、何とかなるでしょ?たかが数日だし」


彼女を手放す気などない___


片眉を持ち上げて得意げに笑みを浮かべるクザン
センゴクはまだ眉間に皺を寄せたままだったが、そうか_と小さく返事を返した















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