拍手での夢小説

□一番クジ(クザン)
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【一番クジ,】




もし
長編“メイド”キャラが
現代に居たとして...












ある平日の午後



クザンは仕事を終え、帰り道の途中にある彼女の家へと向かう予定だ

何か手土産でもと考え、彼女の家の近くにあるコンビニへと立ち寄る事にした


夕方のコンビニは朝ほどではないがそれなりに店内に客が出入りしており、クザンは自分用のビールを籠へと二本突っ込んでお菓子コーナーへと向かう
彼女の好きなチョコレートやら焼き菓子やらを適当に籠に入れるとレジへと向かった



レジに向かったのはいいが対応する店員が一人の為か五・六人がレジの前に並んでいる
クザンは彼女に早く会いたいという苛立った気持ちを表情に出さないように何食わぬ顔で自分の順番が来るのを待っていた


「...ワンピースくじを一回お願いします」



「?!」


その声が見知らぬ人物のものならば気にはなるがドキリとはしなかった

音楽やら雑踏音で聞きづらいその声は小さいながらも間違いなく自分の彼女だろう
小柄な後姿を視界にとらえ核心もした

いつも自分に無頓着のような態度をとる彼女が【ワンピースくじ】を引くだなんて想像もしていなかった
寧ろ先日彼女に自らワンピースくじとなるモノがコンビニにあるらしいと進めたくらいだ
その中で俺の景品もあるらしいとも...
だが、彼女の反応と言えば

『そうですか』

その一言だけだったのだから...


やっぱ俺のグッズ欲しいんじゃないの...
ほんと、可愛い_


なんて思って頬を僅かに緩め、愛する彼女が店員に促されるようにしてクジを一枚箱から引いた


「おめでとうございます、B賞です」


店員の明るい声に後姿の彼女が僅かだが恥ずかしそうに身を縮めた

クザンはそれを綻ぶ表情で見つめながらそろそろ彼女に声を掛けようかとせっかく並んでいた列を抜ける
その間も店員は明るい声でクジの当選内容を説明しだした


「B賞はキャラクターのタオルになっております
種類は全部で5種類となっております
えーと...
ルフィ・ハンコック・バルトロメオ・クザン・ロー
のどれになさいますか?」


彼女の口からクザン_と出た瞬間肩を叩いて驚かそうと思い徐々に近づく彼女の小さな背中を見つめ歩を進めた

「...ローで」

「こちらの商品でよろしいですね、お待たせいたしましたぁ」


俺の聞き間違いなのだろうか、いや、もしかすると彼女は全く知らない人なのかもしれない

きっとそうだ

クザンは不自然ながらもくるりと方向転換し二・三人増えた列の最後尾へと踵を返した




その後も彼女に似た後姿を見送ることなく、というか別の方を見ながら先ほどの菓子とビールを購入しコンビニを出て本物の彼女の元へと向かう

先ほどの話は笑い話として彼女に話そう

なんて思いながら彼女の家のインターホンを鳴らした

今日は肉じゃがっぽいな...

なんて窓の隙間から夕飯を心の中で考えているとドアが開いた

エプロン姿の彼女はいつ見ても可愛くて新婚気分さえ味合わせてもらえる
素直な微笑を浮かべるクザンだが彼女はいつもの無表情でどうぞ_と室内への道を開け俺を見上げた


「お仕事お疲れ様でした」

「お疲れ、はい、これお土産ね
って言ってもコンビニのお菓子だけどね、お邪魔します」

先ほどの菓子を袋ごと渡しながら、クザンはビールの入った袋は自分で持ったまま部屋へと入ってゆく

「もう少しで夕食が出来るので待っていて下さい」

彼女はそう言うとキッチンへと向かった
俺はリビングへ向かい、いつも腰かけるソファーへと腰を掛けた

500mlの缶ビールの蓋を開け一口ゴクッと飲み込んで満足の溜息と共にそれを机に置く






そして、一時停止_______






それもそうだろう、だって、テーブルの上に丁寧にローのタオルがたたんで置かれているのだから
イラストのローは刀を構えてこちらを睨み付ける様にして描かれている

これは間違いなくワンピースくじB賞の景品の一つ...



彼女はこれを俺が見える位置に置いて何も感じないとでも思っているのだろうか
いや、感じていないふりは出来るとも
でも____


怒りよりも悲しもの方が遥かに大きく、クザンはシュンと肩を落として缶ビールの中身を一気に流し込む

飲んでいないとやってられるかよ___


半ば投げやりになりながらもローのタオルを裏返してフン_と鼻息を漏らした時、彼女がキッチンから戻ってきた

「先ほど私もコンビニに行ったんですが、すれ違いだったのですね」

「ぁーっと...
うん、そうだね...いや...
実はレジの列の後ろに並んでたんだけどね
人違いかもしれないと思って声かけなかったんだよね」

「そうでしたか...」

「...くじ引き、してたよね?」

「えぇ」

答えると同時にキッチンから何かが吹きこぼれる音がして
そそくさとキッチンへと姿を消す彼女

話しはこれからなのに..._
そう思って少し大きめの声で話の続きを始めてみた


「ねぇ、なんで...俺じゃなくこの...えーと...」


続けてみた物のオブラートに何というべきなのか、クザンが言葉に迷っていると小鍋を持った彼女がリビングに戻ってきた、ドアの前で少し立ち止まって、なんでしょうか?とでも言いたげだ

「えーっと...なんで...俺じゃないの?」

少しすねたようにもなってしまったが、クザンの視線は机の上の裏に返されたローのタオルへと向けられており、何を訴えたいのかは明白だ




私は何も答えないまま、鍋を机に置いた


「あっ」


それと同時に彼の間の抜けた声...

私は我慢できずに滅多に緩まない唇を緩めた


「ちょうどいい鍋敷きがなかったので...
クザンさんのは既に持っていますよ」


ローのタオルは鍋の下に敷かれて

ほら_そう言って棚の中から昨日クジで当てたクザンのタオルを胸の前に掲げて見せた


「それにしても鍋敷きは酷いんじゃない?」

「そうでしょうか」


その後、なーんだぁ_と機嫌のよくなったクザン

彼には絶対に言えない...



本当はA賞のチョッパーのぬいぐるみが欲しいだなんて_____
















お相手はクザンさんでした。

管理人メルはファミマのワンピースくじで実際にB賞を当て


ルフィ・ハンコック・バルトロメオ・コラさん・ロー・青雉・エネル・クロコダイル


の中で、ローのハンドタオルを迷わずゲットしましたよ。


まぁ、その勢いで思いついたのを書きましたw






メル


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