不死鳥

□ゆりかご
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メルが赤髪に抱えられてモビーを去った後何もする気にならず蘭は1人でマルコの部屋にいた…

マルコが一緒にいてくれようとしたのだが、つい先程自隊の隊員に呼ばれて行ってしまった

彼女は考える…

メルの事…

未来の事を…

確かに此処はあの物語の世界と全く同じという訳では無いが、何がきっかけであの戦争の火蓋が切って落とされるか分からない

備えなければ…

あの戦争の哀しい結末を迎えない為に…

あんな言葉…



_____


……………いつの間にか寝てしまっていたらしい

小さな窓から見える外はすっかり陽が落ちている様子が伺える
月あかりに照らされ真っ暗という訳では無いソコは神秘的なモノを感じさせる程だ…


「…起きたのかい……」


まだ霞がかったような思考は晴れない…
ボーッとする頭を抱えながら声の出処を探していた

「………マル…コ…」

頼りない小さな呟くように落とされた

暗がりにいる自分を探す声…


アレから丸一日眠っていた彼女


音をたてずに近付いて彼女に触れる…

頬に手を添えて彼女の視界に自分が映るように


「…おはよぉ…蘭
よく眠ってたねぃ」


添えられた手に擦り寄る彼女

まだ眠たそうな目が覗き込むように俺を見る

「…ごめん…なさい…」

「否、謝る事じゃ〜ねぇよい
いろいろあったからねぃ疲れてたんだろい」

「……そぉなんですかね………」

「夜明けまでまだ時間がある…
まだ寝るかい?…」

「……マルコ…さん…は……」

「……あぁ、一緒にいるよい」

「……………。」

2人は眠った…

明日は…まぁ今日だが
朝、目が覚めたら2人で食堂に行こう
お前の兄貴達が心配してるから…顔を見せてやろお
親父も心配してる…

だから今はゆっくり眠れ

必ず俺が起こしてやる
何も心配しないでいいよい…

あぁそれから次目が覚めたら俺の名を呼んでくれよ
今みたいに敬称何か付けねぇで…敬語も無しだ



おやすみ…蘭……




彼女を守るように抱きしめて_

離れないように寄り添って__



心安らかなる眠りを……………



見守るのは空に浮かぶ月のみ__






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