不死鳥

□予期せぬ訪問者
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その日は何だかいつもと違っていた…



いつもはいつもで騒がしいこの船も今日の騒がしさは何処か違う

ザワザワ…ソワソワ…

言葉では言い表しずらいそのざわめきは彼女に困惑を与えた
それでも不穏な何かを感じる事は無く、疑問に思いながらもいつものように1日を送っていたのだ

事態が起きたのは陽が傾きかけた時だった

世界を赤く照らす夕暮れ

海は荒れる事無く静けさを保っていた



「ドーマだ!」



ソレは突然だった
水平線に船影を確認した見張りが嬉々として叫んだ

ソレは予期せぬ兄弟の帰還の報せだった


「…ドーマ……遊騎士ドーマ…か」

自分の中で思い当たったその人物の名前…確かエースに降伏した

小さく呟かれたその声を拾うものはいなかった

彼女は近付いて来る船影をもう一度だけ見やると踵を返し、船内へと入って行った





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