メイド
□スモーカー様がいらっしゃいました。
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ジワリジワリ_と圧迫感が押し寄せて、息苦しくなる_
「っ…クザン・・・これはこの「言い訳はよせや…歯ぁ食いしばれ・・・」
覇気を纏った拳がスモーカーの頬に衝撃を与えて床へと叩きつけられる
墳怒に狂気めいた殺気はそれで収まるはずもなく倒れ込むスモーカーへと右足が容赦なく振り下ろされる
大将青雉からの本気の攻撃を止められるすべもなく苦痛に顔をゆがめるしかない_
「っ…クシュンッ・・・・…ご主人?」
「・・・・・」
事の発端であるメロが目を覚まして火照った体を支えながら身体を起こす
涙目でクザンを視界に捉えて白い両手をクザンへと迷いなく差し出す
「メロちゃん・・・もしかして…」
(すごい寝ぼけてる?)
スモーカーを足蹴にしながら、ゆっくりと怒りが静まって行く…
「クッ・・・てめぇ…俺はだな…突然倒れたその女をソファーに寝かせただけだ!そしたらそいつが_」
ゲシッ_とスモーカーを蹴り飛ばしてメロを軽々と抱き上げる
「あらら…熱が上がったみたいだね…ベッドまで連れて行ってあげるから」
「ご主人…いつから煙草を?」
そう言って顔をクザンの首元へ埋めるメロ
「・・・なんで?」
「さっき…キスしたとき苦かった…」
「・・・ん、寝てようね」
またもや沸々と怒りが込み上げる、悟られないように笑顔を浮かべてみるが_
(俺もまだメロちゃんから進んでキスされたことないのに…)
嫉妬の念は中々離れてはくれない_
メロをベッドへと下ろして布団をかけてやるとまたリビングへと向かう
そこでは床に片膝をつき、顔の傷を腕で拭きとっているスモーカーがいる
「・・・・・」
殺気めいた感情を押し殺しながらもスモーカーを睨み付けるが
さすがのスモーカーも怒りが隠しきれない様子で目をつりあがらせている
「あの女は大丈夫なのか?」
「テメェが心配することじゃねぇだろうが…」
メロからスモーカーにキスしたということで行き場のない怒りを何処にぶつけるべきか…
「チッ…」
スモーカーは舌打ちをして立ち上がり、ドアの方へ行く
「帰るのか?」
「あぁ、要件は特にないんでな_」
___________
スモーカーが帰り、重いため息を吐いてソファーへ身体を沈める
また本部へと戻らなければならないが、風邪を引いているメロを置いて行く気にもなれない・・・
クザンは徐に立ち上がりメロの部屋へと向かう
「メロちゃん?」
「…ご主人?」
ベッドへ腰を下ろしメロの額へ手を伸ばす
冷たいご主人の手が額にあたって気持ちがいい…
先ほどまで気分が悪かったのだがそれが体の内側からス-ッ_と浄化されていくような感覚_
「午後の仕事に行かないと…」
「いってらっしゃい…」
熱い両手が伸ばした手に絡みついて、離される…
潤んだ瞳が今にもその目に溜め込んだ水を零しそうになっていてクザンの胸を熱くさせた
「…仕事終わったら早く帰ってくるから」
(可愛い・・・・)
その瞳へキスをして軽く額を手で冷やしてやる
メロから静かな寝息が聞こえてきたのを確認すると、部屋から出て午後の仕事に戻る