青春
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「でっか。」

「何がだ?」

真帝国学園の昼休み。
佐久間、源田、俺の三人で飯を食っていると急にアホな声が聞こえたから見てみると、佐久間が死んだ目で漫画本を凝視していた。

源田の心配そうな視線を浴びてる佐久間は最近おかしい。なんつーか、中二病に磨きがかかったというか。

さて置き、俺は何がデカイのか横から佐久間の手元を覗いた。

「…確かに、でけぇ」
「だろ、」

清楚な女の子がビキニ姿でポーズを決めている。

「何がだ?」

源田が俺に続き身を乗り出すと佐久間は素早く本を閉じた。

えー、と言いたそうな源田を余所に佐久間が口を開く。

「彼女ほしい」
「は?」
「デカイ彼女がほしい!!」

始まった。佐久間の中二病談議。

「やっぱ、板よりデカイ方がいいだろ!!」
「…そうか?」
何故か俺じゃなく源田に賛同を求める佐久間。

「でも、俺は自分より低い方がいいかな、」

天然に真面目な源田はデカイを身長のことだと思ったらしい。

「…身長じゃねーし」
「え?」

佐久間はわざとらしく深い溜め池をつくと対象を俺に移し語りはじめた。

「やっぱ男としてはデカイのがいいだろう」
「はあ…」
「小さいのがいいとか言う奴はロリコンだろ、アレ」

と片倉を指差す。
あいつロリコンだったのかよ…

「板見て誰が萌えるんだよ!!デカイの見りゃ誰だって『おっ!?』てなるだろ」
「………」

まあ、尤もな意見だ。
確かにピチピチよりムチムチの方が目についちゃうよな。

「…でもさあ、お前どーみても板派だろ」
「は?」
「佐久間に彼女が出来たとして、一番に想像できるのって板なのだし…」
「………」
「確かになあ、佐久間の隣には幼げな低い子しか想像できない。152くらいか?」
「「お前黙ってろよ」」

えー、と言いたそうな源田。
こいつはバカだ。身長じゃねーって言われた側から何天然発言してんだよ。

「佐久間は大人な女より地味な…図書委員系だと思う」
「や、やめろよ。夢が崩れるだろ、男のロマン湯がく気か」
「湯がかねーよ、」
「佐久間が叶姉妹連れていたら、俺は泣くぞ」
「「お前は黙ってろって」」




「なんで真帝国には女子が少ないんだろうな」
「大半は俺と影山が勧誘して集まった奴らだからな、男多くて当たり前だろ」
「うぶかお前は!!当たり前じゃないだろ!もっと声かけとけよ!」
「るせーよ!俺シャイなんだから」
「初対面な人の病室に窓から入って見舞いのバナナ勝手に食ってた奴がシャイな訳ねーだろーが!!!!」




青春

「サッカー部員唯一の女子の小鳥遊も成長途中の中途半端な大きさだし…」
「成長途中とかやめろ!変態みたいだぞ」
「小鳥遊はもう十分成長してると思うぞ。女子は早太りって言うし、あれからまた成長するとなると170越えるんじゃ…「源田、俺喉渇いたわ。売店でジュース買ってきてくれ」
「おう!」
「…………」




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鷲若流星

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