ウサ○ッチ
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「おい、プーチン」

「……は?」

昼休み。佐久間が見下した目で俺を呼んだ、…っぽい。

「おい、プーチン」

「…なんだ?プチ…?」

違えよ、と佐久間の隣にいた不動がにやけ顔で側の机に腰をつく。

意味が分からない俺は呆然と目の前の二人を見返した。

「お前、ウサビッチて知ってるか?」

「ウサギッチ?」

たまごっちのやつか?と聞けば呆れたように溜め息をつかれた。

「ウサビッチ、女子共が鞄とかに付けてんだろ」

「あー…囚人服着たウサギか」

「そ。で、お前プーチンな」

「…は?」

緑のマヌケ面の方だ、と佐久間から説明を受け隣の席にあった鞄のビッチとやらのウサギを見た。

赤い耳に安全ピンが刺さってるウサギと、肌色の可愛らしいウサギ。緑のマヌケ面ってのはきっと肌色のウサギの方だろう。

「これが、俺か?」

「そ。プーチン、お似合いだろ?」

不動が勝ち誇った様な顔でプーチンのキーホルダーを指差した。

「…じゃあ、こっちの赤いウサギの方は誰なんだ?」

「……は?」

不動がはたっと俺を見た。

「キレネンコか、考えてなかったな…」

佐久間が深刻そうな面持ちで顎に手をあて考える素振りをした。

「……キレネンコ、不動。お前が合ってるんじゃないか?」

「は?なんで俺なんだよ、…お前は?」

「ひよこ」

「……オカマの?」

「違う!♂の、普通のひよこちゃんだ」

「ちゃんとか付けるな、気色悪ィ」

「ひよこってなんだ?」

「ひよこだよ」

「………」

あれ?俺、省られてる?

「じゃあ、源田プーチンで俺キレネンコ、佐久間ひよこ(♂)な」

「ああ、よろしくなキレネンコ明王」

「ああ、ひよこ♂次郎」

「なんだ、その変な呼び方…」

「プーチン源田、午後ティー買ってきてくれ」

「女子かお前は」

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