記念U
□男装と女装の大会
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控え室
ここで、二人の男がメイクアップをしていた。
それも二人にとって悪い方向の・・・。
クラウド「俺が何したっていうんだよ・・・」
ヴィンセント「・・・これも私の罪・・・」
ボソッと呟く二人。
その顔は絶望とも切なさとも見て取れる。
何があったのか説明しよう。
****回想****
クラウド「大会に出場して欲しい?」
食堂でスコールと一緒にカレーパンを食べていたクラウドの元に新聞部が依頼をしてきた。
キスティス「そうよ。大丈夫、貴方だけじゃなくてヴィンセントにも出てもらうから」
エーコ「だからここに大会出場契約のハンコを押して!」
シェルク「きっと損はしませんから」
クラウド「何だよ、その怪しいセールスマンみたいな言い方は・・・」
疑わしい目で新聞部メンバーを見るクラウド。
キスティスとエーコは不自然な笑みを浮かべながら出場契約の紙をクラウドに突き出す。
シェルクに至っては無言で「早く押せ」と訴えている。
スコール「損はないと言っているし、いいんじゃないか?」
興味なさげに言うスコール。
もうカレーパンは食べ終わったようだ。
クラウドも最後の一口を口の中に放り込んで「興味無いね」とだけ言って立ちあがった。
クラウド「他を当たってくれ。行くぞ、スコール」
スコール「ああ」
キスティス「待ちなさい」
二人の前に武器を持ったキスティスとシェルクが立ちはだかる。
その後ろではエーコが今にも召喚獣を召喚する勢いでいる。
クラウドは顔をしかめた。
クラウド「何のつもりだ?」
キスティス「この大会に出るのに相応しいのはクラウドとヴィンセントしかいないの」
クラウド「武器を構えてまで引き止めるって事は・・・俺に知られてマズイ大会なのか?」
キスティス「非常にね」
睨みあう両者。
スコールにはどんな大会なのか予想が出来なかったが、クラウドは容易に出来た。
的中しそうだが願わくばして欲しくない。
それは自分のトラウマでもあるからだ。
クラウドはスコールをチラリと見て言った。
クラウド「スコール、お前は俺の事をどう思ってる?」
スコール「話しの判る親友」
クラウド「・・・なら、助けてくれ」
スコール「いいだろう」
スコールはガンブレードを取り出してヒュッと空を切る音を2.3回立てて、壁を斬った。
そしてそこに外へと通じる出口が出来る。
スコール「行け」
クラウド「すまん」
クラウドは構う事なくそこから逃げた。
キスティス「スコール、何て事を・・・!」
スコール「親友を助けて何が悪い?」
スコールの顔が険しくなる。
そこに―――
シェルク「大変です」
いつの間にか携帯で電話をしていたであろうシェルクがキスティスに声をかけた。