なんか

□釣りと昼寝
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孫呉大学

半兵衛は昼寝にうってつけの場所を探していた。
午後の授業もないし、天気も良いので外で昼寝をしたい気分である。
そんな訳で、キャンパスの端の方にある池にやってきた。
そしてそこには既に先客がいた。

「あ、太公望先輩だ」
「半兵衛か」

先客は孫呉大学院生の太公望だった。
彼の趣味は釣りで、毎日のように釣りをしている。
釣りをしている時が一番落ち着いていられるらしい。

「今日も釣り?」
「ああ。そういうお前は昼寝だろう?」
「まぁね。天気もいいし絶好の昼寝日和だよ」

言いながら半兵衛はすぐに横になって昼寝をする体勢に入った。

「いいよね、孫大。フリーダムだし、みんないい人だし」
「それは蜀大も同じだろう?」
「そーだけどあそこって介護系大学じゃん?俺には合わないし、
 ボランティア活動は必ず参加しなきゃいけないみたいじゃん?
 俺、そーいうのはちょっとね〜」
「お前は強制されるのがあまり好きではなかったな」
「そーいう太公望先輩は孫大に入る前は蜀大に入る事も考えてたんでしょ?」
「まぁな。だが、お前と同じ理由だ。介護も向いてないし強制されるのも嫌だ」
「だよね〜」

半兵衛はへらっと笑った。
ちなみに、曹魏大学と曹魏大の姉妹校の晋大学はエリート大学だ。
太公望には向いているが、従姉の女禍が授業を終える度に孫大に来るので、
あまり楽しいキャンパスライフを送っているようには見えなかった。
太公望はそこまでしてエリートの道を極めたい訳でもなかったし、孫大も有名なのでこっちを選んだ。

「それに孫大も悪くない。かぐやもいつも楽しそうにしているしな」
「ああ、妹さん?」
「そうだ。昨日は親友の甲斐と尚香と一緒に買い物をして楽しんだそうだ」
「へ〜、良かったじゃん」

かぐやは純粋だ。
穢れを知らないのだが・・・その分だけ怪しいものの区別があまり出来ていない。善悪の判断は出来るけど。
これに関しては兄である太公望だけでなく、従兄妹の伏犠と女禍、果ては近所の妲己まで心配している。
純粋すぎるというのもまた罪である。

「甲斐ちゃんと尚香ちゃんと言えば、結構モテてる割には彼氏いないよね」
「尚香の理由は判るだろう?」
「うん。学長と兄二人とその他諸々と陸遜でしょ?」
「そうだ」

孫大の学長にして孫策・孫権・孫尚香の父親・孫堅は親ばかだ。加えて兄二人は妹溺愛で陸遜は鬼門。
親子揃って尚香に近づく男は排除するし、陸遜は取られまいとしてえげつないやり方で消しにかかって来る。
だから尚香は中々彼氏が出来ないのだ。

「甲斐の方は知らんがな」
「男にがっついてるのが丸わかりだからじゃない?もしくはクマを倒した伝説があるからか」
「恐らく両方だろうな」
「でも、陸遜と言えば太公望先輩が色々勉強とか研究教えてるんだよね?
 尚香ちゃんに群がる男の排除の仕方も教えちゃったりしてるの?」
「そんな事ある訳ないだろ。あれは彼自身の才能だ」
「変なところで才能発揮しちゃってるね〜」

それは太公望も否定出来なかった。
それほど陸遜の排除手段は恐ろしいのだ。
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