鼻毛スピリッツ

□鼻毛8『オイルですーべすべ』
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ボーボボたち一行はホワイトデーのお返しを作っていた。

「何で!!!??」
「バレンタインのお返しをするのは当たり前だろー?」

三角巾とエプロンを着た首領パッチがビュティに言う。
確かにそうではあるが今は毛狩り隊を倒す目的があるし、、何よりもレムを探さなければならない。
ランバダを見れば―――少し苛立たし気だった。

「道草食ってる場合かよ」
「ランバダァッ!!お前もビュティからチョコ貰っただろ!!お前もお返ししやがれ!!!」

同じく三角巾とエプロンを着たボーボボがランバダに怒鳴る。

「もうした。クッキーの詰め合わせ」

ランバダは平然とした顔で言った。

「本当か、ビュティ?」
「うん、本当だよ」

訪ねてきたボーボボにビュティは頷く。
ランバダはこれでも律儀なようだ。

「お返しつったら手作りに決まってんだろーーー!!!」

ボーボボは理不尽にもランバダに体当たりをした。

「うぜぇよ!!」

ランバダが蹴りを繰り出すがボーボボは華麗にかわす。
そんな二人を余所に首領パッチがビュティに話しかける。

「ビュティビュティ」
「ん?何?」
「ほい、バレンタインのお返し」
「わぁ、ありがとう!」

ビュティは笑顔で綺麗にラッピングされた小さな箱を受け取った。
そして早速紐を解き、蓋を開ける。
中に入っていたのは―――ビュティの写真を釘で打ち付けた藁人形だった。

(史上最悪の仇返し・・・!)

「自分ばっかりお返し貰ってんじゃないわよ!サブヒロインのくせに!!」
「だったら自分もバレンタインの時にあげれば良かったじゃん!!」
「ビュティビュティ、俺からもお返しあるぜ」

怒鳴るビュティに天の助が話しかけてくる。
あまり期待は出来ないが一応反応はしてあげる。

「本当?ありがとうね」
「ちなみに、お返しはこの俺だ〜!」

天の助が自分のところてんボディを震わせる。
ビュティは首領パッチからもらったホワイトデーのお返し(という名の仇返し)を渾身の力で天の助にぶつけた。

「いるかーー!!」
「ぶふぅっ!!」

天の助は100のダメージを受けた。
そしてそのまま吹っ飛んでヘッポコ丸にぶつかり、ヘッポコ丸のホワイトデーのお返しが台無しになる。

「何すんだテメー!!!」

普段は天の助に対しても温厚なヘッポコ丸も流石にキレた。
そしてオナラ真拳を炸裂し、天の助を完膚なきまでに叩きのめした。
哀れ天の助。

「ビュティ」
「何?ボーボボ」
「俺からのホワイトデーのお返しだ」

そう言ってボーボボが見せたのは溶けているチョコが入ったカップとお菓子のスティックだった。
チョコフォンデュみたいにして食べろという事だろう。
しかし、このスティック・・・生きている。

「は〜い!お嬢ちゃ〜ん!!」
「動いた!?」
「そんなに驚く事ないだろ〜?それより俺をガッツリ食べなよ〜!」
「いえ、いいです・・・」
「そんな冷たい事言わないでさ〜、俺と―――」
「ふんっ!!」

ビュティはまた渾身の力で生きているスティックを投げた。

「あ〜れ〜!」

生きているスティックは、たまたま通りかかった犬にジャンプして咥えられ、連れて行かれた。
そしてその後、生きているスティックを見た者はいないという。

ちなみに、ビュティは溶けたチョコが入っているカップだけ受け取った。
ミルクチョコレート味だったのでよしとする。
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