鼻毛スピリッツ

□鼻毛11『飯とこまけー話は屋形船で』
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「ビュティ!」

仲人たち毛狩り隊軍団を片付けて追いかけてきたヘッポコ丸。
所々に傷などがあるがまぁ気にしない。

「あ、へっくん」
「カナヅチはどうなった?」
「実は・・・」

ビュティはランバダとカナヅチの戦いについて説明した。
特に最後の決着については。

「・・・と、言う訳なの」
「なんつー台無しエンド・・・」
「ホントに・・・」

溜め息をつく二人。
そんな二人を他所にランバダはレムを抱き起して呼びかける。

「レム!起きろレム!干してた布団と枕が雨で濡れるぞ!」
「何その起こし方!?」

気持ちを切り替えてビュティがツッコむ。
それにしてもなんと雰囲気ぶち壊しの起こし方だろうか。

「ここは俺に任せろ!ビュティ、50円玉あるか?」
「え?うん」
「貸してくれ!」
「はい」

ビュティは財布から50円玉を取り出してボーボボに渡した。
ボーボボはそれを受け取ると、50円玉の穴に紐を通してレムの目の前で左右に揺らした。

「鼻毛真拳奥義『50円玉催眠術』!」
「50円玉!?5円玉じゃなくて!?」

「う・・・ここは・・・?」

レムは目覚めた。

「起きた!?50円玉で!!?」
「レム!」
「あ、ランバダ様。おはようございます」
「呑気に言ってる場合か」

しかし、ランバダの表情は笑顔だった。
レムを取り戻し、更に目覚めたので安心したのだろう。
ランバダはボーボボに礼を述べた。

「悪ぃな、ボーボボ」
「気にするな。礼は十万倍に返してくれればそれでいい」
「・・・は?」

ランバダは差し出しそうになった手を止めてボーボボをまじまじと見た。
そのグラサンの奥の瞳がどのような光を灯しているかは判らないが、絶対にロクな事ではない。
なんだかもう本能で判る、なんかヤバイと。
レムをつれてさっさと逃げ出そうとした時には既に遅く、ランバダはレムと共にロープで縛られていた。

「なっ!?いつの間に・・・!」
「逃げられると思うなよ?」
「安心しろって!悪いようにはしないねーからよぉ」
「こまけー事は屋形船でな」

ボーボボ・首領パッチ・天の助は極悪な笑みを浮かべる。
レムは未だに状況が理解出来ないでいたが、ランバダはもう嫌という程理解出来ていた。
そしてつくづく思う、なんでもっと早く逃げなかったのか。
更に何故、屋形船で話しをするのか。
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