鼻毛スピリッツ

□鼻毛14『最上階は天の裁き!?俺たちのチームワークを見よ!』
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一方その頃、監獄の最上階では―――


「フッ、ようこそボーボボさん、我が監獄へ。最上級の裁きを貴方へプレゼントしますよ」

ボーボボたちは既に最上階へと連れてこられていた。
しかし―――

「ぐがぁ!ぐがぁ!ムニャムニャ・・・」
「ビュティおかわり!・・・ムニャ」
「・・・」

「って寝てるー!!」

折角ボスらしく登場したというのにボーボボ・首領パッチ・ランバダは緊張感のカケラもなく眠っていた。
首領パッチに至っては夢を見ている始末。
これに男は怒りで震え出し、中華鍋とおたまを取り出してそれらの背中をガンガン!とぶつけ合せながら叫んだ。

「起きなさい貴方たち!いつまでも寝ているんじゃありません!」
「んん〜・・・なんだよかーちゃんうるせーなぁ」
「まだ起きる時間じゃないよぉ?」
「もっと寝かせろよな」

「お黙り!今日は遠足でしょ!?お隣のたっくんはとっくのとうに家を出てるわよ!!」

「やべ!今日遠足だった!」
「急いでおやつ詰めなきゃ!」
「オイコラ待て!それは俺のポッキーだぞ!」

「ほらほら喧嘩しないの!遅刻するから早く行っておいで」

「「「はーい!行ってきまーす!」」」

そのまま部屋を出て行こうとする三人。

「全く本当に世話がかかるんだから・・・ってちょっと待ちなさい!!!」

「はぁ?今度は何?」
「急いでんだけど?」

「上手く乗せたつもりかもしれんがそうはいきませんよ!」

「チッ、ダメだったか」
「ランバダの演技がポンコツだった所為だぞ」
「あ?ポンコツはお前だろ」
「んだとゴラァ!!?」
「ああ?やんのかテメー」
「上等じゃボケェ!格の違いを見せてやんよ!!」
「加勢するぞ首領パッチ!」
「お前らまとめて屈辱的にぷっ殺してやるよ!」

「勝手に話を進めないで下さい!いいですか!?
 私の名前はニルヴァーナ。ここは監獄で私と地下にいる私の弟を倒さなと貴方たちは―――」

「「「黙ってろ!!!」」」

「ぐはぁっ!!!」

本題に移そうとした監獄長―――ニルヴァーナを蹴り飛ばして三人は争いを始める。
既にやりたい放題だ。

「オラ来いよランバダちゃぁん?」
「俺たちがボッコボコにしてやんよ!」

バットを手に不良宜しくランバダを挑発する首領パッチとボーボボ。
チームワークもへったくれもない。
舐められたランバダは青筋を立てるとニルヴァーナの方を振り返って言った。

「おいお前!お前はトゲ野郎を抑えてろ!俺はボーボボをぶち殺す!!」
「ええっ!?いやいやボーボボを殺すのは私の役目―――」
「黙れ!!モタモタしてないで行くぞ!!」
「ええーーーっ!!?」

「オラ来いランバダぁ!!」
「来いやぁ!かかって来いやぁ!!!」

「行くぞ!!」
「こ、こうなればヤケです!!」

「「「「うぉおおおおお!!!」」」」

「ポリゴン真拳奥義『メテオ・オブ・ポリゴン』!」
「天罰真拳奥義『黄金の鉄槌』!」

ランバダの三角柱の巨大ないくつかのポリゴンとニルヴァーナの黄金に輝く槌がボーボボと首領パッチの上に現れる。
しかし二人はそれをダンサーになってカレーを片手に華麗に避けた。

「なんの!奥義『華麗なるダンサーのカレーなる回避』!!」

「チィッ、避けられたか!」

「続けて奥義『ウサギさんの餅つき』!」
「オラぺったん!」
「ホイぺったん!」
「もういっちょ!」
「あらよっと!!」

ボーボボと首領パッチはウサギの格好をするとポリゴンと槌を手に餅つきを始めた。
首領パッチがポリゴンの底面部分で餅をつき、ボーボボが槌で餅をつく。

「水つける係いませんけど!?」

「水がなければカレーをつければいい」
「カレー餅の出来上がりだぜ」

「何でドヤ顔!?カレーめっちゃ飛び散りますよ!?」

ニルヴァーナのツッコミに首領パッチとボーボボはドヤ顔のまま餅に先程のカレーをつけて餅つきを再開した。
その結果、ニルヴァーナの言う通り餅をつく度にカレーは跳ね飛び、二人のウサギ衣装を茶色く汚した。
そうして茶色いマダラ模様のカレー臭いウサギが出来上がる。

「言わんこやっちゃない!」

「え〜?カレーウサギとかチョー可愛くなーい?」
「可愛い!」
「だよね〜!可愛いわよね〜!」
「カレー臭いんじゃボケェ!!!」

つい先程まで一緒になって体をくねらせながらカレーウサギ可愛いとほざいていたボーボボは急に掌を返して首領パッチを蹴り飛ばした。

「ぐばぁあ!!!」

「うごっ!」
「ぐはっ!」

首領パッチが蹴り飛ばされた先にはランバダとニルヴァーナがいて巻き添えをくらい、壁に激突する。

「お、おのれぇ・・・!」
「トゲ野郎抑えとけつったろ!!」
「ごはぁっ!!!」

ランバダの理不尽とも言える容赦ない蹴りがニルヴァーナの腹に入る。
この理不尽さはボーボボと然程変わらないようにも思う。

「おのれボーボボ!テメェだけは絶対許さねぇ!!オイお前!!オレとランバダがボーボボをやるからお前はボーボボを抑えてろ!!」
「また!?」
「ゴチャゴチャ言ってねーで行くぞ!遅れんなよ!!」
「俺に指図すんじゃねぇ!!」
「何故こんな事に!」

「ケッ、雑魚どもがどれだけ束になろうともこの俺に勝てると思うなよ!」

「やってみなきゃ分かんねーだろ!喰らえ!『煮干しパチンコ』!!」
「ポリゴン真拳奥義『ポリゴンボム』!」
「天罰真拳奥義『赤き十字架』!」
「死ねボーボボ!!」

殺意全開で叫ぶ首領パッチ。
その間にもいくつかの煮干しととポリゴン形の爆弾と真っ赤な十字架がボーボボに向かって飛んでくる。
いろんな意味で絶体絶命的な状況。
しかしボーボボは涼しい顔で笑うと女子テニスプレイヤーになってラケットを構えた。

「鼻毛真拳奥義『頂点を狙え』!絶対に頂点に立つわ!!」

するとボーボボは物凄い豪速球で煮干し・ポリゴンボム・赤い十字架を打ち返した。
煮干しはランバダに、赤い十字架は首領パッチに、ポリゴンボムはニルヴァーナに直撃する。
ちなみにポリゴンボムの方は直撃すると同時にポリゴンオーラが溢れ出すもので、ニルヴァーナはポリゴンになった。

「「「ゴフッ!!!」」」

「クソが!煮干し如きにこの俺が・・・!」
「ぐばぁーー!懺悔します!懺悔しますから血は吸わないでくれぇーーー!」
「か、体が動かない・・・!?」

「思い知ったかクズどもが!俺に勝とうなんざ1000年早いんだよ!!」

「あぁ!?舐めんのも大概にしろよテメェ!!」

「そこぉ!先生に向かって何て口の聞き方だ!鼻毛真拳奥義『校長の椅子ジェット』!!」

「ゴフッ!!!」

校長の椅子に座ったボーボボが椅子に設置されていたジェット噴射機の推進力を利用してランバダに突っ込む。
それによりランバダは物凄い勢いで壁に激突するのであった。
しかしそんなボーボボの背後に容赦なく首領パッチソードを持った首領パッチが攻め入る。

「死ねボーボボ!!」

「甘いな!鼻毛真拳奥義『伝説のスタンパー』!ホアチャァ!」

「ぐっ!?」

ボーボボは懐からスタンプを取り出して首領パッチの体に『よくできました』と印字された花丸のスタンプを押した。

「よく・・・できました・・・?」

首領パッチの中で時間がゆっくりと流れる。
その流れの中で体に押された判子を見てただ呆然とする。
脳裏に浮かぶは学生だった頃の日々。
あの時は首領パッチも若くて無茶ばかりしていた。
そして担任の先生にいっぱい迷惑をかけた。

『こら首領パッチ!何をしているんだ!』
『ヤベッ!バレた!!』

早弁をして怒られた。

『今日から俺たちでコンニャク部を始めるぞ』
『はい先生!』

二人でコンニャク部を作った。

『頑張れー!頑張れ野球部ー!!』
『俺たちコンニャク部がついてるぞー!!』

二人でコンニャクを持って野球部の応援にも行った。

『ふざけて腰ふりダンスをしてたら校長の大切にしてた壺を割ってしまったー!』
『先生落ち着いて!!』

バカやって問題も起こした。

『本当なのかね?』
『はい、生徒の首領パッチくんがやりました。私は止めたのですが・・・』
『ええっ!?』
『本当なのかね?首領パッチくん』
『イエス アイ キャン』

キメ顔でそう答えた結果、退学にされた。

「そりゃそーでしょ!!ていうか教師最低ですね!!?」

すかさずニルヴァーナがツッコむ。
スルーする事も出来たが我慢ならなかったようだ。
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