なんか

□天然VS腹黒
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「半兵衛と日向ぼっこ」
「・・・半兵衛殿は寝ていますが」
「細かい事は気にしないの」

笑って返す尚香に対して陸遜は些か不服だった。
密かに想っている尚香の膝枕で眠る半兵衛が妬ましい。
今すぐにでも燃やしたいがそんな事をしたらきっと尚香が怒るだろう。
恐らく、この状況は尚香が望んでやったに違いない。
でなければ流石に異国の軍師と言えど、異国の姫君の膝枕に甘える筈がない。
陸遜はつい、お説教口調になる。

「仮にも尚香様は呉の姫君であらせられます。ですからこういう行動はなるべく控えて下さい」
「今は国とかそういうの関係ないでしょ?
だから私は今は呉の姫じゃないの。反乱軍の武将の一人よ」
「それで?」
「戦以外の時はただの友達、よ」
「本当に半兵衛殿のことを友達を思っているのですか?」
「陸遜?怒ってるの?」

何時になく厳しく言ってくる陸遜に尚香は戸惑う。
しかし、陸遜の瞳は一歩も譲る気配がなく、尚香は観念して陸遜の質問に答えた。

「どちらかって言うと友達より弟感覚かな、半兵衛に対しては」
「弟感覚?」
「ええ、見てると構ってあげたくなっちゃうって言うか、
 母性本能をくすぐられるっていうか、まぁそんな感じ」
「母性本能、ですか・・・」

はにかんで笑って見せる尚香に陸遜は一つ、質問をした。

「姫は私に対してどのような感覚でいらっしゃいますか?」
「陸遜に対して?そうねー・・・

尚香は考える。
その時―――

「ん・・・おねね、様・・・秀吉様が・・・」

半兵衛が寝言を発した。

「フフッ、ねねの夢を見てるのね」

尚香の膝枕で眠っておきながら他の女性の名前を呟くとは言語道断、と陸遜は思った。
かと言って尚香の夢を見られるのも腹立たしい。

「姫、最近この城に通ってる猫をご存じですか?」
「え?そうなの?」
「白くてとても可愛いですよ。今度ご覧になられますか?」
「見たい見たい!今度見せて!」
「ええ、いいですよ」

陸遜は決めた。
こうやって大きな声で喋ってやって半兵衛を起こしてやろうと。


しかし、半兵衛は気が済むまで眠っており、起きる事はなかった。





それでも孫尚香と長い時間話を出来たので結果オーライ













END
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